つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

少女を理想の女性に育て上げる

藤壺宮の形代、若紫
夕顔の死のショックから立ち直れない源氏。それはそうですね、共に夜を過ごしている間に突然相手が死んでしまったんですから。
わらわ病みと言って周期的に発作の起こるマラリヤ熱のような症状が起こります。平安時代、こんな原因不明の病いには加持祈祷といって、お坊さんや行者に祈ってもらうしかない。
北山といって都の北の方面の山の中に大層効き目のある寺があるというので、気分転換も兼ねて供連れで出かける。
ここで源氏は生涯の伴侶となる女性に出会うこととなる。若紫、のちの紫上ですね。といってもこの時はまだ10才ぐらいの少女。召使の子が雀の子を逃がしてしまったと、祖母である尼君に泣いて訴えるような幼さです。それを源氏は垣間見る。
何とこの子が源氏にとっての「本命中の本命」、だがそのことを決して人には知られてはならない父桐壺帝の妃藤壺宮に生き写し。それもそのはずで、この少女は藤壺の姪に当たる関係なのです。
父母はすでになく、尼となっている祖母に育てられているという心細い身の上。これを源氏が引き取って養育、理想の女性、それこそ「源氏好み」の女に育て上げるというわけです。紫の向こうに藤壺を見ているわけ。こういうのを「形代」というのだそうです。
理想的な女性と書かれているのですが、どうも私にはこの紫上という女性のイメージがわいてこないなあと思っていたのですが、その理由これだったんですね。要するに「身代わり」ですから。
でもこの頃、源氏の君もまだ18か19の若者。
紫が大人になるのを待たねばなりませんから、その間「ありき(歩き)」といって、これと言った女性をあさります。その一人として例のとんでもない「ぶざまな姫君」末摘花が登場します。