つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

悪を裏側から裁く『番人』

新韓国ドラマ『番人』(衛星劇場
少し間があきましたが、新ドラマ『番人』が面白くて見始めました。
理不尽な犯罪の被害者になった者達が、加害者が正統に裁かれることなく、事件が闇に葬られてしまったのが許せず、秘かに手を組んで復讐を遂げていくというストーリー。
「必殺仕事人」とか、イ・ビョンホンの映画「内部者」に通じるような設定です。
シングルマザーの刑事として日々奮闘してきたチョ・スジ。だが最愛の娘を殺されてしまう。犯人は検事長の息子で高校生のユン・シワン。検事長の力で事件は無きものにされてしまう。スジはシワンを追い詰めるが結局警察を辞めることになる。
そして「闇の組織」の一員になる。この組織のボスは顔を見せないのだが、実はソウル中央地検の検事チャン・ドハンなのだ。ドハンは上司に取り入って、その都合のいいパシリ役をやって、検事長に近づいていく。「内部者」のチョ・スンウのやった役を思い起こさせるキャラクター。彼には検事長が過去に犯した許せない事実があった。その落とし前をつけるために検事になったのだった。でもそういう所はこれっぽちも見せない。
女性刑事だったスジのアクションがものすごいのが特徴。オートバイを乗りこなす。イ・シヨンという女優さんですがなかなか大変だと思います。
とにかく今の時代というのはIT技術により位置情報とか瞬時にわかりますから、それを駆使してターゲットを追い詰めていく。
韓国でも日本でも、いや世界中で権力を持つ者達による犯罪が横行している時代ですから「彼らの悪」が単なるドラマとは思えず「ああ、そうなんだろうな」と思えてしまうところがドラマの迫力になっています。

婿入りも大変『女王ヴィクトリア』

女王ヴィクトリア』世紀の結婚
お相手はアルバート。ドイツのザクセン公国の第2皇子。ヴィクトリアの母ケント公妃の兄の息子にあたる。つまり従兄。
かつてヨーロッパでは王室同士国を超えて相手をやり取りしていた。お互い親戚同士だからそれは簡単?
現在はイギリスをはじめとして出身がどうであれ、自分が気に入った相手と結婚していますが。
日本の皇室はなかなかそうはいきませんね。特に皇太子妃になる人がいません。大変なのがわかっていますから。
ザクセンは小国で、しかも第2皇子のアルバートは財産と言えるようなものは何も持っていません。
ヴィクトリアとアルバートはお互いを気に入ってますが、婿入りするアルバートとしては自分が自由にできる年金や立場がどうなるのか気になります。
もし何もなければハンカチ一枚手に入れるにも妻であるヴィクトリアにお伺いを立てねばなりません。
ヴィクトリアは「ハンカチなら王宮にいくらでもあるわ」と言うのですが、そういう問題ではありません。
ドラマを見ていて知ったこと。それはイギリス人はドイツ人が嫌いだということ。多分フランス人も嫌いだと思います。この3国はお互い快く思っていない。ライバルなんですね。
ちょうど日本人が朝鮮や韓国や中国が嫌いというか、相手が自分より上になることが面白くないという気持ちにすぐなるのと同じ。
『ダウントンアビー』でもそうでしたが、上層部の人達のドラマと共に必ず使用人の人達の物語が並行して描かれ、ストーリーに厚みを持たせる効果を出しています。韓ドラも時代物はそうですね。

少女を理想の女性に育て上げる

藤壺宮の形代、若紫
夕顔の死のショックから立ち直れない源氏。それはそうですね、共に夜を過ごしている間に突然相手が死んでしまったんですから。
わらわ病みと言って周期的に発作の起こるマラリヤ熱のような症状が起こります。平安時代、こんな原因不明の病いには加持祈祷といって、お坊さんや行者に祈ってもらうしかない。
北山といって都の北の方面の山の中に大層効き目のある寺があるというので、気分転換も兼ねて供連れで出かける。
ここで源氏は生涯の伴侶となる女性に出会うこととなる。若紫、のちの紫上ですね。といってもこの時はまだ10才ぐらいの少女。召使の子が雀の子を逃がしてしまったと、祖母である尼君に泣いて訴えるような幼さです。それを源氏は垣間見る。
何とこの子が源氏にとっての「本命中の本命」、だがそのことを決して人には知られてはならない父桐壺帝の妃藤壺宮に生き写し。それもそのはずで、この少女は藤壺の姪に当たる関係なのです。
父母はすでになく、尼となっている祖母に育てられているという心細い身の上。これを源氏が引き取って養育、理想の女性、それこそ「源氏好み」の女に育て上げるというわけです。紫の向こうに藤壺を見ているわけ。こういうのを「形代」というのだそうです。
理想的な女性と書かれているのですが、どうも私にはこの紫上という女性のイメージがわいてこないなあと思っていたのですが、その理由これだったんですね。要するに「身代わり」ですから。
でもこの頃、源氏の君もまだ18か19の若者。
紫が大人になるのを待たねばなりませんから、その間「ありき(歩き)」といって、これと言った女性をあさります。その一人として例のとんでもない「ぶざまな姫君」末摘花が登場します。

うら若い女王の成長『女王ヴィクトリア』

ソン・ジュンギとヘギョ結婚へ
ということになったのですね。このブログでも取り上げたドラマ『太陽の末裔』の共演がきっかけなんでしょうね。
ヘギョは共演した男優と必ずと言っていいほど恋愛関係になり、交際するのですが結局別れるを繰り返していましたが、遂にジュンギと結ばれることに・・・。35才になりましたしね、ここらが潮時かと。
彼女「モテ女」なんですね。共演した男優はみんなヘギョに心奪われる。
はるか昔になりましたが、思えばビョンホン氏も心奪われた一人でした。でも今から考えると二人は似合いじゃなかったですよね。ソン・ジュンギとの方がずっと似合ってる。

『女王ヴィクトリア』愛に生きる
NHK日曜夜11時からの放映のイギリスドラマ。
イギリスドラマはほんと面白い。大人の鑑賞に耐えるというか、そんな感じがします。
イギリスは何といっても女王の国。ヴィクトリア女王の時代は日本でいうと江戸時代後期から明治にかけてですが、大英帝国が最も栄えたのがヴィクトリア女王の時代。
先王が亡くなって18才で即位するのですが、過保護に育てられ、若い女性の上に小柄。女王の威厳とは程遠い存在ですが、しかし彼女には内に秘めた強い心がある。
彼女を軽んじ操ろうとするおじさん政治家達。それを退け国を導いていく。
唯一の味方で助言者はメルバン首相。首相は対立する党派との関係上、ヴィクトリアから離れようとするのですが、やはり見捨てることはできない、うら若い女王のため、そしてイギリスのために側近として支える覚悟をする。

季節は旧暦で考えましょう

季節は旧暦で考える方が合理的
梅雨が明けたと発表されましたが、それから後に雨の降ること、降ること。台風発生のせいとかいろいろ言ってますが。
一年に一度の出会いとされる織姫と彦星のデートも七夕(7月7日)ではたいてい雨か曇りで確認することもできません。これが旧暦だったら8月になって、美しい星空を見上げてロマンチックな気分にひたることもできるわけ。
3月3日の「桃の節句」も3月では桃の花咲いてません。これが4月だと寒いところは別として桃咲きます。
5月5日も同様。柏餅を作って食べる風習がありますが、柏の葉っぱが5月ではまだ無理です。今は前の年に取れた葉っぱを冷凍保存かなにかすれば、一年中つくれますけどね。
お盆だけは旧暦に従っているところが多いようですけど・・・。

朝ドラ『ひよっこ』の描く時代
ちょっと前ビートルズで大騒ぎしてましたが、私はちょうど高校生。クラスの子が「ビートルズ来るんだよ」と話題にはしてましたが、武道館へ行ったという話は聞きませんでしたね。今だと学校さぼってでもアイドルのコンサートに出かけてしまうかもしれないけど、当時は「自分の楽しみのために学校サボるなんて考えもしなかった」。みんな真面目。
みね子がお茶漬けのコマーシャルに出ましたが、「永谷園のお茶漬け海苔」ですね。60年頃からインスタントの手軽に食べられる食品が一気に増えて、お茶漬け海苔、ラーメン、粉末ジュースにインスタントコーヒー、いろいろ出て来て楽しい時代ではありましたね。

芸人が作る料理に家事の技
今や芸人は料理と家事ができて一人前?のような感じですね。
芸人さんの教えてくれる料理って、市販の便利な○○の素みたいなものも使って作るのですぐ真似ができて「目からうろこ」です。
理研究家の方はインスタントのだしの素なんか使うのは「邪道」と考えるせいでしょうか、とにかくレシピを見ただけで「めんどう」って思われてしまう。
だから最初は芸人さんの作る簡単工夫料理で、それに満足できなくなったり、時間のある時は丁寧な昔ながらの作り方をすればいいと思いますよ。
自分流の料理で人気になった元祖は何といっても平野レミさんですね。何しろ「口へ入っちゃえば一緒」が口癖ですから。


財産管理能力のあった女性六条御息所

夕顔とは対照的な六条御息所
父親を失って娼婦のように男に頼って生きるしかなかった夕顔に対して、夕顔を恨み殺したとされる六条御息所ですが、彼女は先の皇太子妃だった人で、夕顔とは比べ物にならないほどの身分の高い女性でした。それが皇太子が天皇にならずに亡くなってしまったため、宮中を出て京の六条に邸を持って優雅に暮らしていた。そこは都の貴族の若者たちの社交場=サロンでした。源氏もそんな若者たちの一人、御息所の心を射止めたのですが、さてそこから誇り高い御息所は「いつ源氏に飽きられるか」と気になって仕方ありません。源氏より大分年上のようです。現代ではフランス大統領のように二〇歳以上年上の奥さんを持ってかえってそれが人気の元になっている場合もありますが、この時代の日本はやはり年上の妻はタブーだったようで・・・。
しかしこの御息所という女性、とてもしっかりした人のようで、有力な父や兄がいるようでもないのに自分に残された財産をしっかり守っていたようです。たいていの貴族の女性は父や兄がいないと、家の財産を仕える者達にいいように横領されてしまうのですが、彼女はそんなことはなく管理能力があった珍しい人です。
この御息所と正反対のお姫様に常陸宮という皇族の姫君である「末摘花」がいます。
このお姫様、器量もよくない上にやることなすこと当時の常識からずれていて、おそらく財産も仕えていた者達に横領されてしまったのでしょう。邸は荒れ、すっかり落ちぶれてしまいます。そこを源氏が手を差し伸べて救うわけですけど、きっと作者紫式部の周囲にもこんな話がいくらでもあったのでしょう。但し現実は救う人もなく、地方の役人の妻になっていったり、器量がよくなければ「今昔物語」にあるように都の出入り口である羅生門の屋根裏で息絶え、最後まで付き従っていた老女房によって、髪を抜かれることになったのでしょう。
御息所は教養ある魅力的な女性ですが、源氏が庇護しなければならない女性ではない。別れる運命にありました。

過保護のカホコ』七月からの新ドラマ
ややオーバーな設定になっています。それと高畑充希さん、確かに可愛いし、上手だと思いますが、就活中の大学生ってそんな年じゃないでしょう。
やはりここに無理があります。
カホコの天然ぶりについほだされてしまう苦労人の美術大学生、こちらはまたこんなしっかりしたというか、大人の大学生いないでしょう。
竹内涼真さん、大忙しの引っ張りだこですね。
チェリストを目ざしているカホコのいとこのイト、今時、お金持ちでないと音楽は続けられない。演奏家を目ざす人世界中にたくさんいますからね。才能といっても演奏ですから、そんなに差がつくわけじゃない。だから・・・。

娼婦夕顔

源氏が夢中になった女性夕顔
大雨のニュースが連日伝えられています。梅雨真っ最中。こんな時期に咲く花に夕顔があります。
平安時代の京都にあって、庶民の住む場末といっていい五条あたりの粗末な家に隠れ住んでいた女性夕顔。その夕顔に乳母の見舞いの途中で出会った源氏はこの素性のよくわからない女性に惹かれます。
心行くまで逢瀬を楽しむには五条の家は狭すぎます。そこで源氏は夕顔を別の場所に連れ出します。「なにがしの院」と表現される誰も住んでいない邸。とはいえ管理人はいますから、従者の惟光がうまく話をつけて、源氏を案内します。
そして夜中、不意に怪しい気配がして、おびえた夕顔は命を落してしまうのです。驚いたのは源氏。もうどうしていいかわかりません。従者の惟光を呼びます。全く便利な存在です。亡くなってしまった夕顔をひそかに東山にある墓地に埋葬し、夕顔に一人付き添っていた右近という侍女は源氏の邸に引き取ってしまう。右近も女主人が亡くなってしまったのですからどうすることもできず、源氏の正体を知った後には五条に残っている人達に知らせに行くわけにもいかない。源氏が素性の知れない女を廃屋に連れ込んで結果死なせてしまったなぞということが噂になれば今は主人になった源氏の命取りです。
後にわかることですが、夕顔は身分で言えば中流貴族の娘、しかし親が亡くなってしまった後は通って来る男に身をゆだねるしかなく、そんな中に源氏にとっては妻葵上の兄、頭中将がいた。中将との間に女の子生まれたのですが、これが後に登場する玉鬘。母が行方不明になってしまったので、乳母が連れて、自分の夫の任国九州の筑紫に下っていく。
夕顔は男にとってこれ以上ないほど都合のいい女として描かれます。なにしろ男のなすがまま。何処と言って特徴はないのですが、感性がにぶいというのでもない。捉えどころのない女性です。もう源氏は夢中。同じころに付き合っていた六条御息所とは対照的です。夕顔の命を奪ったのは「六条御息所の恨み」ということになっていますが、これは実は源氏自身の心の後ろめたさがそう思わせているということのようです。
男性の読者に聞くと「源氏物語」に登場する女性の内一番好きなのは夕顔で、嫌いというか苦手なのは六条御息所なんだそう。
「あなた好みの女になります」というのが夕顔。後ろ盾のない平安貴族の女性は娼婦のように生きるしかなかった。それが夕顔。