つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

六条御息所と夕顔の対比

源氏17歳。都の六条あたりに忍んで通う女性ができる。前の東宮妃でゆくゆくは皇后になろうかという人だったが、東宮が亡くなってしまい、宮中を出て六条に邸を構え、優雅な生活を送っていた。東宮との間にできた女の子が一人いるが、年は源氏よりかなり上である。
若き日の源氏は母の桐壺の更衣が早くに亡くなってしまったこともあり、年上の女性に惹かれる傾向があった。藤壺宮、正妻葵上、空蝉、夕顔もそうなよう。中でも一番の年上がこの六条御息所と称される前東宮妃。この未亡人に憧れる貴公子は多くて、そんな若者達の教養サロンになっているのが彼女の邸。
最初は年の差を気にして源氏によそよそしかった御息所でしたが、源氏は熱心に口説いて契りを交わす。望みを達したとたん、源氏は憂鬱な気分になってしまう。あまりに完璧な年上の人。自分も完璧を求められている気がして、これでは正妻葵上と変わらないではないかと足が遠のきがち。しかしそれも悪いなと思い、二条にある自邸から牛車で向かう。途中五条あたりで、乳母だった人が病気で臥せっているというので見舞いに立ち寄ろうと思い車を止めさせる。その時ふと隣を見ると生け垣に白い花が咲いている。お付きの者に尋ねると「夕顔といい、このような粗末な垣根に咲くものです」と答える。
女たちが何人かいるようで、すだれの向こうからこっちを見ている様子。源氏はお供の者に「一枝折ってまいれ」と命じる。お供が垣根の中に入って折ろうとすると、童女が出て来て香を焚きしめた白い扇を差し出し「これにのせておあげなさいまし」と言った。その扇には歌が散らし書きしてある。女の側からの誘いかけである。源氏も早速歌を返した。そして惟光という一番近くで仕えさせている者に隣の家の女主人について調べさせるのだった。
そして相当な身分の女が隠れ住んでいて、どうやら源氏とはいつもライバル関係にある葵上の兄、つまりは義兄の頭の中将と関わりのある女だなと気づく。
さてこの女性夕顔と源氏は夢のような束の間の時間を過ごすことになる。六条御息所とは対照的な自己主張をしない、ただ源氏の意のままになる女、それでいて幼いというのとも違う。後にわかるが頭の中将との間に女の子も生んでもいる。
源氏は様々な女性と契りを交わしていくが、何かというとこの夕顔をいつも思い出すのだった。