つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

暑い夏、新ドラマ

猛烈な暑さが続いています。
信州と言えば「夏涼しい」というイメージがあるでしょうが、今年は全然違います。朝早くから暑く、夕方いくらか冷気を感じるぐらいです。
とにかく昼間はおとなしくしています。
新ドラマ始まる。
『高嶺の花』、『グッドドクター』、『チアダンス』など見てみました。
『高嶺の花』華道業界が背景。今華道の世界も家元があぐらをかいていられる状況じゃないんですね。フラワーアレンジメントとか、花芸とかいろいろあって、伝統的な「お花の世界」は苦戦しているようです。
その家元の娘に生まれた女性が自営で自転車店を営んでいる男性と恋をする?
その男性は母親の介護をしながら生活していたのですが・・・
その母親は間もなく亡くなり、あの世から息子にいろいろアドバイスするというしかけ。
この母親役誰かと思ったら十朱幸代。私の20代から30代の頃はテレビドラマのヒロインに引っ張りだこ。でも年を取って消えるんじゃなくて、その年なりの役でがんばってる。
あと、香山美子中野良子がヒロイン役でよく出ていました。
中野良子さんは高倉健さんの相手役として『』君よ憤怒の川を渡れ」という映画で、中国では最も有名な女優です。
1970年代「文化大革命」の嵐からようやく抜け出した中国の人々が見た日本映画が「君よー」だったとか。
無実の罪で陥れられた検事?役の健さんに自分を重ねた人が多かったとか。当時、9割の人がこの映画を見たのではと言われています。日本ではそれほどヒットしませんでしたけど。

 

 

 

 

高齢者は助けがないと避難できない

西日本豪雨災害
こんなひどい災害になっているとは知りませんでした。テレビ報道も同じ情報ばかりで、政府が積極的に救助活動をしていないのではという批判がでています。
なにしろオウム幹部の死刑執行の前日に衆議院会館で飲み会をしてそれをSNSに投稿する議員がいる政党が力をもっているわけですから・・・。
私も高齢者の一人ですので、避難指示とか勧告とかと言われてもにわかに動けない高齢者の気持ちと言うか状態がよくわかります。誰かが助けにきてくれなければ避難所には行けません。
今まで恐ろしい災害に遭遇したことがないので、市から配布される防災関係の地図とかあまり熱心に読んできませんでした。反省です。
日本は「災害列島」です。どこで地震、豪雨などがおこるかわかりません。「ここは大丈夫」という所はないと思ったほうがいいでしょう。
それでも消防の人が来てくれるとほんとに嬉しいでしょう。
人は経験してみて初めて分かるということばかりです。
わたしも去年入院して、それから医療にすごく関心をもつようになりました。
だから東京医科大に裏口入学させた、したというニュースを知って、医師になるにはうんと大変だし時間もかかるのにその覚悟があるのかと言いたい。
医師の資質は必ずしも偏差値順ではありませんが、一定レベル以上の学力は必要で努力する気がないなら他の進路を見つけてください。医師国家試験で不正合格させるのはむつかしいと言われますが、今のでたらめな社会ならそれも通ってしまうのではと心配です。

ヨーロッパ人は多言語対応

サッカーワールドカップに何時からこんなに熱狂を?
Jリーグが発足してからでしょうか。
マスコミの仕掛けでしょう。ワイドショーもワールドカップだらけですから仕方なく見ますが、試合は見ません。
確かに話題のアメフトなんかよりサッカーはにわかに見てもはるかにわかりやすい。
私も少し知識が増えました。知識が増えると少し面白くかんじるようになり、他の話題をやっている局はないかと探さなくなりました。
私は朝は羽鳥モーニングショーをみています。羽鳥さんは「自分が、自分が」というところをあまり出さない。MCの正しいありかただと思います。
玉川さんや青木さんが、まともな普通感覚の立場なのでそれも好感が持てます。
決勝リーグの初戦はベルギー。とてもじゃないけど格が違うようです。
ベルギーといえば「フランダースの犬」。チョコレート、レースも有名とか。小便小僧にも連れていかれますよね。
ドイツ語、フランス語、オランダ語、そして英語も話される。
日本だと韓国・朝鮮語は語順が同じなので比較的覚えやすい。中国語は発音がむつかしいけど、漢字という文字が共通なので観光ではそんなに不自由しない。
ヨーロッパの国同士は文字はアルファベッドで共通なので日本人が考えるほどには他国語としてむつかしくないかもしれない。

暗い時代の始まり『源氏物語』若菜の巻

大阪北部地震
昔、30年以上前に住んでいたところなので、ほかの地域より関心があります。
ブロック塀が崩れて来て亡くなった女の子。防ぎようがなくてほんとにかわいそう。こんな高い目隠しが必要なんて、都市の生活っていろんなところに思いがけない危険がひそんでいる。
ブロック塀の危険は宮城地震で頭に刷り込まれました。私の住む近所に高いブロック塀はありません。皆さん生け垣かフェンスです。
それにしてもプールの周囲を目隠ししなくてはならないとは・・・。塀で囲むと騒音が少しは減るのでしょうか、また女の子の水着姿に興味を持つ人間の目から隠すためですかね。

絶頂からの暗転、源氏物語若菜上・下
長い長い源氏物語。現代では源氏が須磨・明石に退去しているあたりまでと、復権して都へ戻ってからがよく取り上げられ、その間は簡単に飛ばしていくのがほとんど。
源氏の兄朱雀帝は、源氏が都から去った後、何かと不穏なことが起きる都に、遂に周囲の反対を押し切って源氏を都に呼び戻す。
呼び戻されてから本格的な「源氏栄華の時代」が始まります。
病弱な朱雀帝は帝の地位を東宮に譲って退位したい。
源氏と藤壺との間の子が冷泉帝として天皇に。その皇后に明石の君との間の娘がなるというこの上ない状態を迎える。現実にも藤原道長がこうでしたね。しかし歴史の研究者からすると、道長の時代は「政治の私物化」が進んで治安も悪化。都ではしょっちゅう火事があり、内裏=宮殿が燃えたようです。殆どが放火。そのたびに避難してどんどん内裏が東に移っていったとのことです。
式部はそんな暗い時代の始まりを「若菜の巻」で描くのです。次回へ。

スマホだけでは人生は深まらない

少女時代の読書体験
今や本を読む若者は少数派。一か月に一冊も本を読まない大学生が増えているという。
その代わりスマホとかラインとかに時間を費やしているのでしょうか。
私の時代にはそんなものはありませんから本を読むのが楽しみだった。
「白雪姫」だの「シンデレラ」などを卒業した後、中高生になって読む本といえばブロンテ姉妹の作品や「風と共に去りぬ」、「若草物語」、「足ながおじさん」、「赤毛のアン」シリーズなど。これらの作品は今でも人気があって、アニメ、漫画などで触れている人は多いでしょうが。中でもブロンテ姉妹には関心がありました。
19世紀(日本でいうと江戸時代の後半)のイギリスで牧師の家に生まれた姉妹は何とか自立できる道はないかと苦闘します。
この時代の女性はお金持ちの男性と結婚できないかとそればかりを追求する人生。それがかなわなければ、お金持ちの家の使用人、学問を身に着けていれば家庭教師というのが数少ない女性の自立の道でした。
牧師の娘だったブロンテ姉妹は教養があったので、家庭教師、ないしは私立学校の教師となりました。
その時代の体験がシャーロットの「ジェイン・エア」という作品に結実。
妹のエミリの「嵐が丘」それとはちょっと違いますが。
ジェイン・エア」はほんとにおもしろく読みました。
嵐が丘」はちょっとわかりにくいので、大人になって読むほうがいいかもしれない。
イギリスの小説はなんといってもこの国の「階級社会」を頭に置かないと現代の読者には理解できないところがあります。
アニメや漫画だと多分、こうした複雑なところはすっ飛ばしてあると思うので、改めて原作の方を読まないと読んだことにはならないですよね、当然のことですが。
そこへいくとアメリカの小説には階級社会のやりきれなさは出てきません。但し今度は人種による葛藤が主題になります。
風と共に去りぬ」はイギリスの圧政から逃れアメリカに移民したアイルランド人の物語になります。
ヒロイン、スカーレット・オハラのオハラはアイルランド出自の苗字なんですね。ライアンとかも。「ライアンの娘」とか「プライベートライアン」とか映画のタイトルになっている。
日本では江戸時代に女性が書いた物語ってすぐに浮かんできません。平安時代に貴族社会、その中でも中流貴族の女性達が作品を残しました。仮名の発明が大きかったですよね。最も紫式部は漢学の知識も充分あったといいますが・・・。

明石の君と結ばれた源氏

源氏、明石の君と結ばれる。
紫上を都に置いて須磨の地に引っ込まなければならないのは辛い。
須磨というのは今の神戸あたりですから、現代人からすればなんちゅうことはない場所ですが、この時代の都人にとってはやはり都から遠く離れた感があったのでしょう。宇治ぐらいだとちょっとした郊外の気分だったようですが・・・。
前回でも触れましたが、ここに明石入道という有力者がいます。元は都の貴族、地方官僚になりましたが、財産はたっぷり蓄えた。できのいい娘を都に出しても恥ずかしくないように教育した。いつか都の貴人に嫁がせたい。
チャンス到来。しかし賢い娘は自分程度では大勢の側室の片隅に数えられるだけだと、父の希望に中々乗ろうとしない。しかしついに・・・。
そして娘を設ける。この娘が帝に嫁いで皇后になるのですから、明石の君の立場はゆるぎないものになっていくのですが。
この辺の「身分差」というのが現代人にはわかりにくい。
日本では1945年の敗戦を境に華族・皇族という特権階級はなくなり、皇室のみなさんだけになりました。
今の美智子皇后が皇太子妃に決まった時「民間から初」と騒がれましたが、華族制度がなくなったのだから、「民間から」と言って騒ぐの変じゃないと思いましたけど・・・。
イギリス王室もキャサリン妃は民間もいいとこだし、ハリー皇子の妃もアフリカ系の血が入っている。
<変わらず生き残っていくためには変わっていかなければ>というのは、「山猫」というイタリア貴族の世界を描いた映画の有名なセリフですが、平安貴族はそう考えなかったようですが、紫式部は違ったようです。
式部自身は地方官も務める中流貴族の出身。宮廷で女官を務める女性達はほぼこの階級の出身。

源氏、都を去る

貴種流離譚・源氏の試練(須磨・明石の巻)
源氏の父桐壺帝が亡くなりました。ここから宮廷での権力関係が変わっていきます。
最大の後ろ盾である父帝を亡くした源氏の元から人々は潮が引くように去っていきます。
こんな時こそ自重しておとなしくしていなければならないのですが、そうは出来ないのが人間。
未亡人になった藤壺宮を恋いながら、政敵側の姫君朧月夜との逢瀬に溺れる源氏。
遂に政敵側の総帥、右大臣に朧月夜との密会を知られてしまいます。
一方、夫である桐壺帝の死で里に下がった藤壺宮は悩んだ末、出家をしてしまう。表向きは桐壺帝との子供、実は義理の息子源氏との子である皇子の行く末を考えると、源氏に頼るしかない藤壺。出家をして形式的にでも尼になってしまえば、尼になった女性に近づくことはできないのが当時の習い。今でもそうですけど・・・。
こうして愛欲より我が子の将来を選んだ母藤壺
「どうにでもなれ」とやけになった源氏。
全ての官位を返上して今の兵庫県である須磨に自ら引っ込んで謹慎の身に追い込まれます。
歴史上は都を去った貴族でその後中央政界に返り咲いた例はないといいますが、紫式部はそれを物語上で果たします。この須磨・明石の地で元は都の貴族ながら、この地で国司(現代で言えば県知事に相当」になり財産を作った明石の入道の娘明石の君と出会い、娘を設ける展開になる。
失意のまま都から流れて来た貴族(貴種)の男性が土地の有力者の娘と結ばれ、その地で力をつけていくというのは後の武家政権の統領につながっていく。代表的なのが「清和源氏」と「桓武平氏」。
天皇は側室をたくさん持ち、従って多くの子供が生まれます。しかし次の天皇になるのはたった一人。多くの皇子、特に母の身分が低い場合、都での栄達は望めませんから、地方に下っていく。それが武士の統領に持ち上げられ、次の政治権力者になっていく。
明石の入道は器量の良い娘を何とか源氏に結び付けて都への復権を計ろうと奔走し、それが実現しますが、それはもう少し後の話。