つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

いつから?ドラマ出演者とコマーシャルのセット

秋の日本新ドラマ
「逃げるのは恥だが役に立つ」
ハンガリーのことわざだそうですが、星野源の無表情な草食男子が妙に気になります。
いかにもIT企業の社員という感じで、パソコンで契約書作ったりするのはやたら得意。
今の時代は生まれた時から環境が整っていて、それを乱されるのは嫌という人たちが増えているような気はします。
結婚生活というのはその意味で最大の「乱され行為」ですよね。
それで「契約結婚」というか、家事を職業としてやってもらうという形を取るわけですが、これは相手になる女性、名前覚えてませんが、が住むところが無くなるということで「それならば結婚と言う形式でその問題を解決しよう」というので始まった形ですが、その前にお互いの存在が嫌じゃないという前提がありますよね。まあ着地点はおのずからわかりますがね。しかし同棲から結婚となったとたんにうまくいかなくなるケースも現実の世の中にはありますけど。

「シェフ~三ツ星の給食」
こちらは大量調理のシーンが見どころ。
どういうところで撮影するのかしら。そこだけ社員食堂みたいなところで撮影して合成するのかな?
この間は元三ツ星シェフの天海祐希さんがいろんな種類のトマトを買ってきて、おとなにも子供にも「美味しい」と言ってもらえるナポリタンを試作するシーンがありましたが、あんなにたくさんのトマト、撮影後はみんなで持ち帰るのかな?なんて思ったり。
食べ歩きや飲み歩きの番組も、続けて何軒も撮影するのでしょうから、当然最初の一口、一杯であとは残すわけですよね。カメラマン、その他スタッフも一緒ですから、その人達が残りを食べる?お持ち帰りもありかしらね。
とにかく「もったいない派」の私はそういうところが気になります。「捨てないで!」。

「砂の塔」
タワーマンションに住む奥様方のバトル。
地方に住む私はタワーマンションを実際目にすることはありませんが、高層階ほどお値段が高いのですね。そこで何年度からかしりませんが、相続税とかで低層階の住人とは差をつけることを政府が考えているそうですが。
何年か前にママ仲間で子供のお受験をめぐって、平常心を失ってしまったお母さんがリーダー格の人の娘さんを殺してしまうという「お受験殺人」事件というのがありましたが、あれは同じ幼稚園に通う子供を持つ仲間での話でしたが、こちらは住まいが同じマンションというさらに閉塞状況に追い込まれる装置が背景です。
とにかく今のママさんたちは大変です。
かつて、そう30年前ぐらい前までは、子供にそこまで気を使って育てていなかったんじゃないかな。

とにかく今、民放ではドラマ作りは投げてる気がします。
だって、間に入るコマーシャルに出演者がニコニコして出てきますよね。さっきまでのドラマ上とは全然べつの顔して。ドラマ台無しです。
セットにしないとスポンサーがつかないのでしょうか。
視聴者をなめてます。

 

 

平安貴族の社交・恋愛のツールは歌=和歌

「歌を詠む」は平安貴族のたしなみ
源氏物語」では何かというと歌がかわされます。これは子供の頃からそういう教育を受けていないと挨拶がわりに「歌を詠む」などできませんね。
物語中の人物が詠む歌は作者の紫式部がその人物のキャラクターに合わせて詠み分けるわけですが、現代にも数多くの作家がいますが、こういう芸当のできる作家は見当たらないような気がします。もっとも現代の物語は歌を必要としませんが。メールか電話で心を通わせることができるのかわかりませんが。
現代は手紙すらめったに書きません。
源氏物語」では弘徽殿女御と源氏の正妻葵上の二人の歌は一首も登場しません。
弘徽殿女御は自分の息子が天皇になることだけを考える人ですから「歌なんか詠んでる場合じゃない」。
正妻の葵上は実は源氏ではなく兄の第一皇子に嫁いで皇太子妃になることを夢見ていたのに、父の左大臣が第一皇子ではなく源氏を婿に選んでしまうのですね。
それが不満なのと、4歳年上ですから最初源氏が子供に見えたのでしょうか。みんなが憧れる源氏なのにどうも他人行儀。
これでは源氏も面白くありませんからつい葵上のところへは足が遠のき他の女性のところへ遊びに行ってしまう。
ところで歌を詠むのは常識といっても人には得手不得手があります。文才がないと何とも様にならないつまらない歌しかできない。第一良い文句が浮かんでこない。そこで助けになるのが掛け言葉や本歌取りといった「言葉遊び」の要素を取り入れること。
参考書は式部の時代より100年ほど前に編集された「古今和歌集」です。この歌集の中から気に入ったフレーズを引っ張り出して適当につなぐ。
まあ芸術というより「社交の道具」、「恋愛の道具」ですから相手がそれを詠んで喜べそれで目的は達せられる。
現実主義者の弘徽殿女御と生真面目な葵上には「歌がない」、「歌は必要ない」。

 

イ・ビョンフン、チェ・ワンギュのコンビ『獄中花』(衛星劇場)

身分を隠せ』を見ていて潜入刑事って役者に似てるって思いました。
ヤクザ、娼婦、借金取り立て屋などその状況に応じて人物になり切らないと見破られてしまう。
まあ、ヤクザは日ごろ接している相手なのでお手のものかもしれませんね。「ミイラ取りがミイラになる」のことわざどおり、ヤクザに転身と言うか転落してしまう警察官もいますからね。私は60年代ぐらいに作られた東映のヤクザ映画なんかもケーブルテレビで見ますが、そんな設定結構多い。
初めて韓ドラを見始めた頃から10年以上たって、日本で放映されるドラマもどんどん過激なものが増えているような印象があります。
何しろ韓国は北と敵対関係で向き合っていて、成人男子に「徴兵の義務」がある国ですから、男ならだいたい銃器の扱いを心得ている。刑事だけでなく、犯罪を犯す側もそうなのだから「いつやられるかもしれない」という恐怖感は強いと思います。
アメリカの警察官もそうですね。アメリカには徴兵制ありませんが、「自分の身は自分で守る」という考え方の元、銃を持っている人が多いから警察官が過剰反応するんだと思います。
特殊捜査員が追う犯罪者組織の目的は紙幣のポログラムコードをシステム会社から盗み出して贋金を作ることのようですが・・・。

衛星劇場で『獄中花』放映始まる。
チャングム」、「トンイ」のイ・ビョンフン氏の演出。脚本は「ホジュン」、「商道」で組んだチェ・ワンギュ氏。
女性のサクセスストーリー。
時代は1540年代、中宗の時代、チャングムと同時代ですね。
典獄署という今でいう刑務所で産声をあげ、オクニョ(玉女)と名付けられた少女が刑務所の中の雑役係である茶母(タモ)をしながら成長していくのですが、運勢を見る天才で、監獄ですから刑罰に関する法律にも詳しくなり、のちにその知識で頭角を現していくようです。ただの茶母がそうなっていくにあたっては学問を教えてくれる先生がいるわけで、その先生は犯罪者とされて、獄につながれている人なのです。
イ・ビョンフンさん、いくつぐらいの方かしら。次々に新しいドラマを作り出す才能がまだ枯れていません。

繰り返し描かれる潜入捜査官ストーリー

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『身分を隠せ』(ホームドラマチャンネル)
犯罪組織に潜入してその悪をあばくという展開は香港映画ノアールの名作『インファナルアフェア』に代表されますが、やはり繰り返しドラマ化、映画化されますね。
キム・ボム主演の本作も、恋人を亡くした刑事が秘密捜査官として組織に潜入していくという展開です。主演のボム、以前何かで見た気がするのですが思い出せない。
それよりもその犯罪組織の幹部でチョン先生と呼ばれている人物を演じているのがキム・ミンジュン。はるか昔、『茶母チェオクの剣』で、反乱組織のリーダー、ソンベク役としてさっそうとドラマデビューしたあのキム・ミンジュン。一見、悪役に見えない悪役を演じられる役者に成長しています。1976年生まれですから今年40才か。消えていませんでした。

<弁当やすしについている調味料の袋、開けにくい>。そんな年齢になってきました。以前はお魚型のチューブでふたを開けて必要な分だけ出せばよかったのに。
きっとこれ売る側の都合ですね。このほうがコストがかからないとかなんとか・・・。
外で食べる時困るので、小さなハサミを化粧袋に入れてはいますが。高齢者にやさしい商品を作ってほしいわ。それはきっと傷害のある人にも使いやすいはず。そして子供、すべての人にとっても。

物語を自由に回していく仕掛け、臣籍降下

二宮=源氏の臣籍降下
光る君を溺愛する父帝ですが、その将来については深く思い悩む。
皇子のまま宮廷にとどめておいても後ろ盾のない光る君が天皇になることはできない。それよりも皇籍を離脱させ、臣下として政治に腕をふるわせる方が皇子のためになる。
帝はその頃高麗の使節の中に優れた人相見がいると聞いて光る君をその元に遣わし対面させます。
人相見は「帝王になる相は持っているが、その位に就くと世が乱れるかもしれない。しかしただ臣下として天下の政治を補佐する方かというとそれだけの人でもない」と言うのでした。
帝王でもない臣下でもない運命というのは、後に准太政天皇という位を我が子冷泉帝からたまわることになる将来が暗示されている。
高麗の人相見の言葉に押されて、桐壺帝は光る君に源氏の姓を与え臣下に籍を下ろすことにした。
これによって源氏はミカドの子という高い身分ながら臣下なので、行動がずっと自由になり、あちこちの女性を訪ねてしのんでいくことができる立場になり、物語が面白くまわるようになる。さすがですね、物語作家というものは・・・。
源氏物語』後半の宇治十帖では、匂宮という皇子が源氏を思わせるプレイボーイとして登場しますが、彼は次の皇太子になるかもしれないという立場なので、女性に会いにいくのも大変なエネルギーを使わなければならない設定になっています。
そしてこの二宮の処遇の決定前後に父帝は「亡き更衣にそっくり」と言われる先のミカドの4番目の姫君を妻に迎える。これが藤壺宮。
源氏はまだ宮廷に暮らしていて、父がいつも連れ歩くことに変わりはないので、藤壺の顔も知るのです。
生母の顔もよく覚えていない源氏に取って藤壺は母をみるような、さりとて若いですからお姉さんのような何ともいえない年上の憧れの女性になって、それが遂に・・・という関係に発展していくわけですが。

幼くして母を亡くした人物が多く登場する『源氏物語』

母恋しが女性遍歴の原点
実家へ里帰りして皇子を生んだ桐壺の更衣はその後病いがちとなり、源氏が3歳の時に亡くなってしまいます。
更衣の母は若宮をそのまま実家で育てようとしますが、夫もすでに亡くなっていて、有力な後ろ盾もなくまことに心細い。
遂に桐壺帝の申し出を受け、若宮=源氏を宮中にお返しする。そしてこの祖母も亡くなってしまう。源氏は幼くして父帝だけが頼りの孤独な境遇に置かれてしまうのだ。
平安時代の貴族社会では、生母が亡くなってしまった場合、女の子は父の妻の中で一番身分の高い者に預けられて育つ。というわけで継子いじめ物語がここに成立する。『落窪物語』、『住吉物語』など。
男の子は父親が責任を持って養育する。といっても父はミカドですから直接育てるのは乳人(めのと)と呼ばれる乳母ですね。乳をあげる乳母としつけや教育を担当する乳母と最低4人ぐらいはいたようです。
作者の紫式部自身が幼くして母を亡くしていて、父はその後正式な妻を迎えなかったので、乳人に育てられ、家庭的雰囲気の乏しい寂しい境遇で、その寂しさを紛らわすのが式部にとって学問や物語の世界でした。というわけで『源氏物語』にはこうした親の愛に恵まれなかった人物が源氏の他にも生涯の伴侶となる紫の上、息子夕霧、源氏が最も愛した女性である夕顔の娘玉鬘(たまかずら)などが登場します。また後半の宇治十帖に登場する姫君たちも母を亡くして父に育てられています。
とにかく若君のかわいらしさ、美しさ、賢さは群を抜いていて、どんな不機嫌な者も若君を見たとたん微笑まずにはいられない。
父帝は側室の女性達を訪ねる時も幼い息子を同伴。御簾の中にも入れてやる。
当時身分の高い女性は自分の父親、兄弟、夫、そして子供以外の男性には顔を見せないことになっている。ところが源氏は5、6才の頃から母でもなく姉でもない父の妻たちの顔を直接見て育つ。女好きにもなるし、女性との接し方も覚えるはずです。
そんな中で父帝が妻に迎えた女性が「亡き母更衣にそっくり」と、女房達が噂をする。藤壺宮である。母の顔をよく覚えていない源氏は母とも姉とも何とも言えないかけがえのない存在として藤壺を慕うようになっていくわけです。

 

父・兄・息子の3代の天皇に仕えた源氏

平安時代は「生前退位」が一般的
天皇陛下が「生前退位」のお気持ちを国民に向かってビデオで語りかけられました。
80才を過ぎての連日のような「公務」。このビデオを見て、見なくても殆どの国民は「生前退位」に理解を示したでしょう。
私は「生前退位」までは思い及びませんでしたが、夫妻がテレビ画面に登場するのを見るたびに、「普通の人と違ってこの人たちの場合はきちんとしていなくてはいけないので大変だ」と思っていました。
姿勢も正しく、疲れたような態度は見せない。80才過ぎてこれは大変です。
せめて最後の年月を自由にのんびり過ごしてもらってもいいのではと思います。特別な立場の方々ですが、何といっても人間ですから。
ところで『源氏物語』の背景になっている平安時代は、天皇は急な病いで倒れたりした時は別としてほぼ「生前退位」ですね。しかも年を取ったからというほどの年令でもないのに退位しています。
この時代は政治が天皇を中心に行われていましたから、ちょうど総理大臣が交代するような感覚で、政治的事情で退位したようです。
昔は何といっても短命ですから、ある程度まで天皇の役目を務めると、皇太子への「譲位」を考えたようです。
源氏物語』でも源氏の父桐壺帝は弘徽殿女御(こきでんのにょうご)が生んだ源氏の兄に天皇の座を譲り、桐壺院を名乗ります。
源氏の兄朱雀帝も病気がちということで、年の離れた弟(実は父桐壺帝の妃藤壺と源氏の間にできた不義の子)に地位を譲ります。
こうして源氏は父、兄、息子と3人の天皇に仕える臣下という立場になるのです。
鎌倉時代武家政権になって政治の権力が天皇のいる朝廷から幕府に移ってからは「譲位」って、それほど意味を持たなくなったようで、そうしょっちゅう座を次に譲るということは無くなっていったように思いますが、調べたわけじゃないのでわかりません。