つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

義理の母との密通は母恋が背景に

父の妻との密通(紅葉賀の巻)
三寒四温の季節となりました。今日は当地は風が冷たいです。
久しぶりの「源氏」。
源氏物語」にはあらゆる恋愛のパターンが描かれますが、何といっても父桐壺帝の若い後妻、藤壺との密通は、宮廷暮らしの女房達の心を湧き立たせるストーリーだったでしょう。
現代の小説、ドラマにも時々登場する設定ですが、さすがに紫式部によるストーリー展開は不自然さがない。
まず源氏は幼くして母を亡くしたので母の愛を知らずそれだけに「母の愛」に飢えている。
大勢の側室の中でもとりわけ帝が愛した桐壺更衣。その忘れ形見である光源氏は父帝にとっても誰よりも愛おしくかつ不憫な存在。宮廷の中をどこでも連れ歩く。側室達の顔もまだ少年ということで見ている。
女房達のうわさでは亡き母によく似ているという藤壺
義理の母に惹かれる気持ちには複雑な恋愛感情が渦巻いて耐えがたいものがある。
遂に藤壺と結ばれた源氏。何回か逢瀬があったのでしょう。周囲の女房の手引きが無ければこの逢瀬は実現しません。源氏のファンでもある女房達は源氏の懇願を聞いてしまいます。
そしてついに皇子が生まれる。帝の子という可能性もあります。でも藤壺宮は源氏の子と確信します。DNA鑑定の無い時代にはこの手の物語が成立する。
生長するにつれて源氏に似て来る皇子。
でもそういう噂は物語でははしょられている。源氏は桐壺帝の子、藤壺は源氏の母によく似ている、生まれた皇子が母違いの兄源氏に似ていても不思議ではありません。
では父桐壺帝はどう思っていたのか、それは描かれませんが真実を知っていたかもしれませんが、また全く疑っていなかった可能性もある。何しろ生むのは女ですから、男は疑えばきりがない。
このような話は現実にあったのだと思います。
何しろ天皇になるのは一人。その他の皇子たちは地方に下る者もいたけれど、そうでなければ無為に人生を送る可能性の方が高い。乱れた男女関係に溺れる皇子が居ても不思議じゃない。