つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

『獄中花』 朝鮮王朝時代の弁護士=外知部

『獄中花』38話まで
オクニョは王の娘?
オクニョに残された母の遺品にあった「髪飾り」。それは中宗が(チャングムでおなじみ)情をかけた女官に与えたもの。だとするとオクニョは中宗の娘?王女?
オクニョの養父チ書吏殺人の疑いで逮捕される。
ナンジョンの商団で行首をしていた男が殺された。この男を典獄署からひそかに解放する役目をしたのがチ書吏だった。いい加減な捜査で斬首刑にされようとしている養父を救うためにオクニョは奮闘し、裁きの場で堂々と父を弁護し、裁判官に当たる兵曹は再捜査を命じる。
昭格署廃止の攻防
昭格署とは占いで国の行く末を決めたりする所。
朝鮮王朝は儒教の考えをもとに政治を行うことを基にしているので、儒学者達はこの役所を廃止したいと思っているが、昭格署を拠り所にして政治権力を握っているのが明宗の母である大妃やその弟、王にとっては叔父にあたるウォニョン達である。
「民は天ではなく王が守る」と明宗は昭格署の廃止に乗り出すが、大妃はこれに対してハンガーストライキで対抗する。母親にこれをやられると息子としては弱りますよね。
テウォン外知部(弁護士)を育てる決意をする。
法に無知な罪人に代わって役人に対して申し開きをする弁護人。かつてはこうした人たちがいたのだが、政府の手によって追放されてしまった。オクニョの奮闘を見て、テウォンは再びこうした人たちを育てようと決意する。
これがこのドラマの核心なのですね。外知部が活動する世の中。それは一方的な裁きで罪人にされることのない世の中ということになります。
チ書吏は「疑わしきは罰せず」の原則に従って釈放されます。

キム・テヒとピ結婚
このところ韓国芸能ニュースウォッチしてなかったので見逃していましたが。
ソウル大卒の優等生テヒとやんちゃなイメージのあるピの組み合わせ、ちょっと意外でしたが。
キム・テヒと言えば意地悪な女役の「天国の階段」とビョンホンと共演の「アイリス」が思い浮かびます。ピの方は「フルハウス」。
テヒさんが36歳にもなっているのには「えっ?」でしたが、思えば韓国ドラマを見始めたのは10年以上前からでしたからね。お互い年を取ります。

今年の大河も戦国乱世のドラマ

新ドラマ
『女城主・直虎』
真田丸』の後を引き継いだのはやはり戦国時代のドラマ。
この時代、弱小領主は何時攻められるか気が休まる時がない。これは「真田丸」と一緒。「真田丸」では父の昌幸が知恵を絞ってこの乱世を乗り切るのですが、最後の賭けに失敗。でもちゃんと長男信之という駒を残しておいた。
「直虎」では主人公が法師になってお家の存続をはかるのですね。
こちらは徳川に忠誠を尽くすことで、明治維新まで生き残る名門井伊家の礎を築いた女性の物語。
下剋上受験』
中卒の父親が可愛い娘に将来の選択を広げてもらいたくて、一緒に中学受験の勉強に励む。
この「一緒に勉強する」というのがいいですね。たいがいは「勉強しろ」とハッパはかけるけど自分は面倒くさいから一緒にやるなんてことはしない。仕事もあるしね。
きっとお父さんもどんどん賢くなっていくでしょう。「勉強できなくても元気ならいい」とも言えますが、いろんなこと勉強する習慣がつくと、世界が広がっていくメリットがあります。というほど私も賢くありませんが・・・。

一人旅のための集合場所下見ツアー
という番組がありました。
一人でツアーに参加したいけど、集合場所とか迷わないか不安という人向けに旅行会社が集合場所の案内をするという企画。
わかりますねえ、田舎はともかく大都会のターミナルって広いし複雑だし。
ビョンホンイベントでもその都度場所が違いますからね。私のように地方から上京する者は土地勘がありませんから。
ネットで下調べしてから行きますが、今まで迷ったことはありません。でも過信しないことですね。年取ってますから勘違いがあります。
東京ドームに代々木体育館、横浜アリーナ、埼玉スーパーアリーナ、東京フォーラムなどなど。
最初はドキドキしましたが、今は慣れました。タモリさんじゃありませんが、地理は割合得意なほうです。

影の実力者大妃『獄中花』

『獄中花』32話まで
地方の役所の官婢だったオクニョですが、その占いの技を認められて、昭格署という儀礼を司る役所の道流という役に就いて都に戻った。
ジホンは役所を辞めオクニョと共に商団を作る。
一方平市署長のテウォンは科挙の試験用の紙を受験生に用意させることを考え、ナンジョンの商団に紙の買い占めをさせようとする。しかしこの裏をかいたのがオクニョとジホンの商団。紙の原料のコウゾを買い占め、紙の値段を上げさせてしまう。これではナンジョンの商団のもうけが少なくなってしまう。それでもテウォンは買い占めを指示。
オクニョは監察官=明宗王に寺の増改築のために無用な科挙試験でその資金を作ろうとしている大妃らの企みだと知らせ、王は科挙を中止させる。
疫病の企み
大妃は王の権威を落そうと、ニセの疫病騒ぎを画策する。疫病の流行は王が不徳だからという考えがあり、この間王は政務から離れ、神殿で祈りを捧げなくてはならない。しかしこれまたオクニョの働きにより、疫病ではなく、夏場によくある「夏バテ」の一種だとわかる。
大妃側は秘密に王に進言する者がいるはずだと、お忍びで外出する王に尾行をつけ、「始末せよ」と命じる。
疫病を利用して買い占めた薬材を高値で売ったナンジョンの商団。
疫病をでっち上げた罪と薬材の買い占めをした罪で王はナンジョンを逮捕させるが、ナンジョンは口を割らない。
反大妃の大物イ・ジョンミンと元体探人で今はジョンミンの配下になったカン・ソノは王に、ナンジョンを釈放して、その代わりに役人や役所の不正を監視する部署の人事権を手に入れる取引を進言。
大妃はこれを受け入れる。そしてその役目=吏書正郎にジョンミンはジホンを推薦する。
オクニョの母の死の真相
オクニョの母は東宮殿に仕える女官だった。そして東宮殿に仕える女官は皆殺されてしまう。なぜか。それは女官達が前の王の毒殺の企てを知ってしまったからだ。
王はこのことを自分に仕えるハン尚宮から聞かされる。それを指図したのは母の大妃と叔父のウォニョンだった。
このドラマは史実ではないのですが、明宗の前の仁宗が即位一年ほどで亡くなっているので、こういう筋立てができるのですね。
チャングムに出てくる中宗の妃が王の母になって大妃として権力を振るっているのですが、後妻だったのですね。
実の息子の明宗に王位を継がせて、思うままに権力を振るう、それが目的だったようで、朝鮮王朝では王の母にあたる大妃が影の実力者というドラマがけっこうありますが、史実でもそのような例があるのでしょうね。
日本では平安時代以後は武家に権力が移ってしまいましたから武家同士の争いはドラマにもよく取り上げられますが、女性の政治の場への登場は皆無に近い。北条政子とか日野富子ぐらい?
江戸時代の大奥は無視できない力を持っていたようですが。

 

元日から駅伝三昧

駅伝三昧の三が日
ここ数年、箱根駅伝にはまっていましたが、今年は元日に始まる実業団対抗駅伝まで見るようになってしまいました。
というのも元日って見るもの何にもないんですよね。くだらないバラエティー番組見てるよりシンプルな若者の走る姿を見てる方がよっぽどいい。
そしてこちらには箱根を卒業した選手たちが実業団に入ってまた走ってる姿が見れるという楽しみがあるのを知りました。
「山の神」だった神野大地君が平地ではただの人だというのもご愛敬です。
ホント箱根駅伝の魅力は山登りあってこそですね。今年はその山の距離が短くなって、ちょっと興味が薄れたかなという気はしますが。「山の神」伝説が生まれにくくなりました。
いろんなエピソードが語られて、ちょっと語られ過ぎという気はしますが、とにかく最近は両親が息子に入れ込んで大変ですね。解説してる宗さんや瀬古さんの時代には両親は特に関係なかった気がしますが。宗さんなんか、家が貧乏で、自転車を買ってもらえず、みんなの自転車の後を走って追いかけているうちに走るのが得意になったと言いますからね。
それと兄弟・親子で走るケース多いですね。双子の兄弟の多いこと。宗兄弟がはしりですかね。
父が監督、息子が選手というケースもいくつか紹介されていて、これはお母さんが貢献してますね。お父さんがいくら選手だったとしてもお母さんのDNAはより男の子に反映すると言いますから。
時代が変わっても「走る」というのは人間の本能のようです。市民ランナーがものすごく増えて、各地のマラソン大会は申し込みの時点で電話さえつながるのも楽じゃないと聞きました。みんな参加費払ってあちこちの大会はしごするようです。といっても居酒屋のはしごじゃないから、体調を整えて、ある程度回数はかぎられますけどね。ハーフマラソンとか、もっと短い距離のもありますから、趣味と健康を兼ねて、ギャンブルにはまってる暇はない。
そんな中で箱根駅伝に出場したなんていう経験を持っていればスター中のスターですよね。
そして相変わらずアフリカ勢がところどころでチームの力になってる。黒人と言ってもアメリカの黒人は他のスポーツでは活躍しますが、故郷からはるか昔に離れて、アメリカ的生活をしていると走るというDNAは薄れていくんでしょうか。
駅伝は見ていて追い抜きがあったりして面白いですが、チーム競技なので、これを嫌う、あるいは合わない人もいて、「公務員ランナー」川内さんはそうですね。一人で走って一人で考えて、それができる競技でもありますね。特別の練習場はいらない。
穏やかな良い天気の新年です。平和で安心できる一年、いやずっとそうあってほしいです。


『真田丸』型破りな脚本

真田丸』完結!
私は長野市松代町で町案内のボランティアガイドをしていますが、今年は大河ドラマの主人公真田幸村の兄信之が治めた城下町が松代ということで、こちらにもドラマとのゆかりを求めて観光に来る人が多くて、普段の年の3倍ぐらい案内をしました。
信之が治めたのは江戸時代になってからのことだったので、実はそれ以前のことはあまり勉強してなくて、でも今年は大河の年というわけで、それ以前のことも勉強していろんなことを知りました。よかったです。
ドラマでは特にテーマ音楽がお気に入りでした。繊細でかつ鋭いヴァイオリンの演奏、曲もよかったです。
以前『真田太平記』というドラマ、やはりNHKで放映していて、それも見ていました。内容は殆ど覚えていませんが、幸村の役、草刈正雄さんでした。年を取って、お父さんの昌幸を演じましたが、それだけ俳優として第一線で活躍し続けてきたということですよね。立派です。アメリカ人の血が入っているので、顔がバタ臭いし、身長も時代劇をやるには高すぎるのですが、よく時代劇に出ますよね。『新選組始末記』と言うドラマでは沖田総司をやっているのを見たことがあります。
父昌幸の役、今は亡き丹波哲郎さんでした。兄信之は渡瀬恒彦さん。夫人たちは忘れてしまいましたが、小山明子さんが出てました。昌幸の奥さんだったのかな?
サスケは幸村と最後まで運命を共にしてましたがサスケ役の藤井隆さん、セリフは「はっ!」と言っていればよかったと言ってました。そう言われればそうでしたねえ。長いセリフも大変ですが、「はっ!」だけではちょっと物足りなかったかな?
とにかく戦国時代の国衆と呼ばれる小豪族から近世の大名にまでなったのは真田家だけだそうです。信之が偉かったんですね。
三谷幸喜さんらしい型破りな脚本でした。
本能寺の変を「信長は死んだ」の一言で片づけたのはさすがです。いいんです、それで。主人公は信長じゃないんですから。

オクニョをめぐる二人の男が宿敵に『獄中花』

『獄中花』24話まで
オクニョとデシク署長合作の裏帳簿奪われる。
囚人達の待遇改善のために囚人達を外で働かせて賃金を得る、その一部は署長の懐にもと、裏帳簿を作っていたことを下っ端役人のユ参奉に知られてしまう。彼はナンジョンのスパイとなってこの裏帳簿を奪い、これによって署長は降格、オクニョは官婢として地方に送られることに。それに異議を唱えたのが従事官のジホン。ジホンは自分がユン・ウォニョンによって謀反の罪を着せられ、結局最後は死んでしまったパク・テスの孫だという事実を知って、ウォニョンの娘との縁談を断ってしまったため、これまた地方に左遷させられることに。
オクニョは海州という所の役所に護送される途中山賊に襲われ閉じ込められる。山賊はオクニョらを明の人買い商人に売り飛ばす計画だ。
しかし港に護送される途中、オクニョは何とか縄を解き、体探人として鍛えた武術で山賊と戦い、女たちを逃がしてやる。しかし自身も深い傷を負い、やっとの思いで、海州の役所=監営にたどり着いたところで気を失って倒れる。それを助けるのが赴任したばかりのホジンだ。
一方、都のテウォンはオクニョを救えなかったことで自暴自棄になっていた。そんなテウォンに手を差し伸べたのが父のウォニョンだった。
たとえ父の身分が高くても母が正室でなければその息子は高官になれないという国法を一時棚上げの許可を大妃から得て、役職に就かせたのだ。
テウォンが望んだ役は平市署の署長だった。市場の管理・監督をする役目だ。ナンジョンの商団をコントロールするのが狙いだったが、もっとすごい商団が松都にある、たたけば埃が出るはずだと言われ、テウォンはこの商団を調べ、明との不正交易の証拠をつかみ、手入れに入る。この商団こそジホンの養父のものである。突然の手入れに驚いた養父は倒れ、父の誕生祝い?の宴のために帰郷したジホンの目の前で息を引き取る。
オクニョをめぐる二人の男がこれで敵同士の関係になっていくわけです。物語は一層複雑化していきます。さすが脚本のチェ・ワンギュ氏はうまい。

ダウントン・アビー』5始まる。
20世紀初頭のイギリス貴族の館で繰り広げられる愛憎劇で、こちらも楽しみに見てます。
韓国ドラマもいいけど、やや造りに雑なところがありますが、イギリスのドラマはそんなことはない。さすがシェークスピアの国、ご都合主義的な造りはしていない。
この時代になると貴族も屋敷を維持していくのが大変になってくる。その時代をどう切り抜けていくかが見どころです。
使用人達も時代の変化の中で揺れていきます。

「源氏物語」の時代背景は式部の生きた時代より100年ほど前

母親似の息子夕霧
余りしっくりしない源氏と葵上の夫婦仲ですが、それでも夕霧という息子が生まれます。この息子は性格も容姿もお父さんには似ていないようです。生真面目でやや融通が利かず、でも仕事熱心で周囲の信頼も厚い男として成長していくことになります。
雲井の雁という幼なじみと結婚しますが、のちに瀕死の友人柏木に、妻の力になってくれと遺言されそれを忠実に果たします。この場合「力になってくれ」というのは経済的援助と第2の妻の扱いをするということですね。これに姉さん女房の雲井の雁は激怒。でも夕霧は妻と柏木未亡人のところに通う日数をきっちり平等に分けて対するのです。
母親の性格を色濃く受け継いだ夕霧です。でもこの息子はほんとはとっても可哀想なのです。なぜなら産後の肥立ちが悪くてお母さんの葵上は息子を生んでまもなく死んでしまったから。
これにはそのころ源氏が通って心を寄せていた六条御息所の怨霊が取りついた結果ということになっていますが、やはり出産後の体調がよくなかったのでしょう。身分の高い女性はあまり動かず部屋の中でごろごろしていることが多かったそうですから、どうしてもお産が重くなる。出産年齢も10代、栄養も今ほどよくはないでしょうから、出産で命を落すことも珍しくなかった時代の反映でしょう。
あちこちで女性と浮気をすればもっと源氏の子供がたくさん生まれていてもおかしくないのですが、ストーリーをすっきりさせるために源氏の子供は、正妻葵上の生んだ夕霧と不倫関係の藤壺の宮との間の後の冷泉天皇と晩年、兄朱雀帝に頼まれてその姫女三ノ宮を正妻に迎え、その宮と柏木との間に生まれた薫だけ。
源氏物語の背景は式部の生きた時代より100年ほど前の時代。
紫式部は栄華を誇った藤原道長に請われて娘彰子のいわば教育係の女房として雇われたわけだけれど、その時代のまま物語を展開するといろいろ差しさわりがあるので、時代を変えて物語を作ったと言われています。醍醐、村上両天皇による天皇親政の時代、つまり藤原氏の影響力を抑えた時代ということです。
歴史の授業でも必ず出てくる「大化の改新」。中大兄皇子中臣鎌足蘇我入鹿を宮中で暗殺して権力を握って以来、中臣改め藤原氏は絶大な力を持つようになっていく。
これを何とか抑えようとしたのが平安京に都を移した桓武天皇。この桓武天皇百済武寧王の末裔である高野新笠と言う人が生母なのですね。そう古代から日本と朝鮮はこんな深い関係にあったんです。
その桓武天皇ががんばって、ようやく天皇親政の政治ができるようになったのが醍醐・村上天皇の時代ということで、紫式部藤原氏、それも道長の一族ばかりが重要な役職に就くということには疑問を感じていたようですが、そういうこともわかっていて、道長は式部に「源氏物語」を書かせたんですね。物語を書くには紙が必要ですから、当時貴重な紙を式部にけちらず与えた。式部が書くと、それを声の良い女房が彰子の前で読み上げ、そして回し読みされたり、書き写されたり、朗読会が開かれたりしてこの物語は普及していったんですね。