つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

明石の君と結ばれた源氏

源氏、明石の君と結ばれる。
紫上を都に置いて須磨の地に引っ込まなければならないのは辛い。
須磨というのは今の神戸あたりですから、現代人からすればなんちゅうことはない場所ですが、この時代の都人にとってはやはり都から遠く離れた感があったのでしょう。宇治ぐらいだとちょっとした郊外の気分だったようですが・・・。
前回でも触れましたが、ここに明石入道という有力者がいます。元は都の貴族、地方官僚になりましたが、財産はたっぷり蓄えた。できのいい娘を都に出しても恥ずかしくないように教育した。いつか都の貴人に嫁がせたい。
チャンス到来。しかし賢い娘は自分程度では大勢の側室の片隅に数えられるだけだと、父の希望に中々乗ろうとしない。しかしついに・・・。
そして娘を設ける。この娘が帝に嫁いで皇后になるのですから、明石の君の立場はゆるぎないものになっていくのですが。
この辺の「身分差」というのが現代人にはわかりにくい。
日本では1945年の敗戦を境に華族・皇族という特権階級はなくなり、皇室のみなさんだけになりました。
今の美智子皇后が皇太子妃に決まった時「民間から初」と騒がれましたが、華族制度がなくなったのだから、「民間から」と言って騒ぐの変じゃないと思いましたけど・・・。
イギリス王室もキャサリン妃は民間もいいとこだし、ハリー皇子の妃もアフリカ系の血が入っている。
<変わらず生き残っていくためには変わっていかなければ>というのは、「山猫」というイタリア貴族の世界を描いた映画の有名なセリフですが、平安貴族はそう考えなかったようですが、紫式部は違ったようです。
式部自身は地方官も務める中流貴族の出身。宮廷で女官を務める女性達はほぼこの階級の出身。