つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

牛車の格が騒動のもと源氏葵の巻

源氏の正妻葵上の出産と死
少し先ですが、5月には京都で葵祭が行われます。
平安時代から続くこの神事と行列は「源氏物語」にも重要な物語の転機として登場します。
源氏と正妻葵上の仲はしっくりとまではいかないまでもそれでも少しづつお互い慣れ親しみつつありました。そして懐妊。葵上はつわりに苦しみます。身分の高い女性ほど身体を動かしませんからつわりが重くなりがち。でもそんなこと経験上わかっているはずなのにその対策はしなかったのでしょうかね。
しかし気分転換を兼ねて行列見物にでかける。左大臣家という臣下としては最高の家のこの頃は牛車ですかがすでに待機している他の車を押しのけて前へ出ます。
押しのけられた車が源氏の年上の恋人六条御息所の車でした。目立たない網代車だったために押しのけていいと供の者達は思ったようです。
京樂真帆子という人が『牛車で行こう!』という本で牛車と身分の関係を解説しました。
東宮妃という高い身分でありながら、お忍びのため網代のやや粗末な車をしつらえたため軽く見られたようで、誇り高い六条御息所は深く傷つき、正妻葵上の懐妊、源氏の冷たい態度も相まって懊悩します。その怨念が葵上に取りつき、つわりは重く、その上難産、葵上は何とか出産したものの間もなく亡くなってしまうという設定。
京樂さんは大学の先生だが、学生に現代にたとえるなら唐車はベンツ、網代車はアクアだと説明しているとか。