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つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

作者式部が反映した空蝉「源氏物語」

「雨世の品定め」
久しぶりの「源氏物語」です。
長雨の続く梅雨の頃、宮中では宿直担当の貴公子達が退屈しのぎに今まで付き合って来た女たちのあれこれについて感想を述べあいます。
話題は「中の品の女性に結構いい女がいる」という話になっていきます。この場合の「中の品」とは貴族の中でも中流階級、家の格でいくと「受領階級」地方長官、今の時代でいくと県知事ぐらいの位になります。源氏の作者紫式部の家がこれにあたります。
帝の息子である源氏はまだそのような女性と付き合った経験がありません。話に加わらず、寝たふりをして聞き耳を立てます。にわかに興味が湧いてきました。上流の貴族の女性は「箱入り娘」かやたらプライドが高い、男からすると付き合いにくい相手が多かったようです。
そこへいくと中流の女性は父や夫について京の都から地方に下る経験もしていて、何かと見聞が広くて話も面白いなんていうところもあったのかな?
源氏が中の品の女性と遭遇する機会がやってきました。それが「方違え」という平安時代の習慣。
陰陽道で悪いとされる方角は避けなくてはならない。吉の方角の家に一泊して自宅に帰る。
この日、左大臣家は悪い方角にあたっていた。そこで紀伊守の邸に泊まることになった。ここで源氏は紀伊守の父親である伊予介の若い後妻空蝉と一夜の契りをかわすことになる。
平安時代寝殿造りの家は基本的に壁がありません。部屋はつい立てや屏風で仕切って使う。
空蝉一行もたまたまその日、方違えかどうかはわかりませんが、何かの事情で紀伊守の邸に滞在していて、源氏の一行が同じ邸に泊まることを知ります。空蝉の侍女たちはもう大騒ぎ。
源氏も眠れるわけはありません。かすかなほの暗い灯りを頼りに空蝉の寝ている場所に忍んでいきます。こんな場合、女性は大騒ぎして人を呼んだりしません。相手は帝の息子です。恥をかかせるわけにはいかないのです。
「空蝉」の巻の読みどころはこの契りのあとにあります。その後、源氏はまた空蝉に会いたいと手紙を送りますが、空蝉はそれに決して応じようとしません。するとますます執着するというのが人の心というものですが、空蝉はわかっていたのです。軽々しくそれに応じればやがて飽きられて捨てられる。しかも自身は人妻です。
空蝉と呼ばれるこの女性は本当の名前はわかりませんが、何とか機会を作って忍んでいった源氏をするりとかわして後には衣だけが残っていたということに由来します。つまり蝉の抜け殻が蝉の形のまま残っているのと同じ状態というわけ。
賢明な女性空蝉。後に伊予介が死んで息子の紀伊守が妻にしようとしますが、これを受け入れず行き所のなくなっていた空蝉を源氏は二条院に引き取ります。空蝉は未亡人ですから出家をしていましたが。