つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

物語を自由に回していく仕掛け、臣籍降下

二宮=源氏の臣籍降下
光る君を溺愛する父帝ですが、その将来については深く思い悩む。
皇子のまま宮廷にとどめておいても後ろ盾のない光る君が天皇になることはできない。それよりも皇籍を離脱させ、臣下として政治に腕をふるわせる方が皇子のためになる。
帝はその頃高麗の使節の中に優れた人相見がいると聞いて光る君をその元に遣わし対面させます。
人相見は「帝王になる相は持っているが、その位に就くと世が乱れるかもしれない。しかしただ臣下として天下の政治を補佐する方かというとそれだけの人でもない」と言うのでした。
帝王でもない臣下でもない運命というのは、後に准太政天皇という位を我が子冷泉帝からたまわることになる将来が暗示されている。
高麗の人相見の言葉に押されて、桐壺帝は光る君に源氏の姓を与え臣下に籍を下ろすことにした。
これによって源氏はミカドの子という高い身分ながら臣下なので、行動がずっと自由になり、あちこちの女性を訪ねてしのんでいくことができる立場になり、物語が面白くまわるようになる。さすがですね、物語作家というものは・・・。
源氏物語』後半の宇治十帖では、匂宮という皇子が源氏を思わせるプレイボーイとして登場しますが、彼は次の皇太子になるかもしれないという立場なので、女性に会いにいくのも大変なエネルギーを使わなければならない設定になっています。
そしてこの二宮の処遇の決定前後に父帝は「亡き更衣にそっくり」と言われる先のミカドの4番目の姫君を妻に迎える。これが藤壺宮。
源氏はまだ宮廷に暮らしていて、父がいつも連れ歩くことに変わりはないので、藤壺の顔も知るのです。
生母の顔もよく覚えていない源氏に取って藤壺は母をみるような、さりとて若いですからお姉さんのような何ともいえない年上の憧れの女性になって、それが遂に・・・という関係に発展していくわけですが。