つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

財産管理能力のあった女性六条御息所

夕顔とは対照的な六条御息所
父親を失って娼婦のように男に頼って生きるしかなかった夕顔に対して、夕顔を恨み殺したとされる六条御息所ですが、彼女は先の皇太子妃だった人で、夕顔とは比べ物にならないほどの身分の高い女性でした。それが皇太子が天皇にならずに亡くなってしまったため、宮中を出て京の六条に邸を持って優雅に暮らしていた。そこは都の貴族の若者たちの社交場=サロンでした。源氏もそんな若者たちの一人、御息所の心を射止めたのですが、さてそこから誇り高い御息所は「いつ源氏に飽きられるか」と気になって仕方ありません。源氏より大分年上のようです。現代ではフランス大統領のように二〇歳以上年上の奥さんを持ってかえってそれが人気の元になっている場合もありますが、この時代の日本はやはり年上の妻はタブーだったようで・・・。
しかしこの御息所という女性、とてもしっかりした人のようで、有力な父や兄がいるようでもないのに自分に残された財産をしっかり守っていたようです。たいていの貴族の女性は父や兄がいないと、家の財産を仕える者達にいいように横領されてしまうのですが、彼女はそんなことはなく管理能力があった珍しい人です。
この御息所と正反対のお姫様に常陸宮という皇族の姫君である「末摘花」がいます。
このお姫様、器量もよくない上にやることなすこと当時の常識からずれていて、おそらく財産も仕えていた者達に横領されてしまったのでしょう。邸は荒れ、すっかり落ちぶれてしまいます。そこを源氏が手を差し伸べて救うわけですけど、きっと作者紫式部の周囲にもこんな話がいくらでもあったのでしょう。但し現実は救う人もなく、地方の役人の妻になっていったり、器量がよくなければ「今昔物語」にあるように都の出入り口である羅生門の屋根裏で息絶え、最後まで付き従っていた老女房によって、髪を抜かれることになったのでしょう。
御息所は教養ある魅力的な女性ですが、源氏が庇護しなければならない女性ではない。別れる運命にありました。

過保護のカホコ』七月からの新ドラマ
ややオーバーな設定になっています。それと高畑充希さん、確かに可愛いし、上手だと思いますが、就活中の大学生ってそんな年じゃないでしょう。
やはりここに無理があります。
カホコの天然ぶりについほだされてしまう苦労人の美術大学生、こちらはまたこんなしっかりしたというか、大人の大学生いないでしょう。
竹内涼真さん、大忙しの引っ張りだこですね。
チェリストを目ざしているカホコのいとこのイト、今時、お金持ちでないと音楽は続けられない。演奏家を目ざす人世界中にたくさんいますからね。才能といっても演奏ですから、そんなに差がつくわけじゃない。だから・・・。

娼婦夕顔

源氏が夢中になった女性夕顔
大雨のニュースが連日伝えられています。梅雨真っ最中。こんな時期に咲く花に夕顔があります。
平安時代の京都にあって、庶民の住む場末といっていい五条あたりの粗末な家に隠れ住んでいた女性夕顔。その夕顔に乳母の見舞いの途中で出会った源氏はこの素性のよくわからない女性に惹かれます。
心行くまで逢瀬を楽しむには五条の家は狭すぎます。そこで源氏は夕顔を別の場所に連れ出します。「なにがしの院」と表現される誰も住んでいない邸。とはいえ管理人はいますから、従者の惟光がうまく話をつけて、源氏を案内します。
そして夜中、不意に怪しい気配がして、おびえた夕顔は命を落してしまうのです。驚いたのは源氏。もうどうしていいかわかりません。従者の惟光を呼びます。全く便利な存在です。亡くなってしまった夕顔をひそかに東山にある墓地に埋葬し、夕顔に一人付き添っていた右近という侍女は源氏の邸に引き取ってしまう。右近も女主人が亡くなってしまったのですからどうすることもできず、源氏の正体を知った後には五条に残っている人達に知らせに行くわけにもいかない。源氏が素性の知れない女を廃屋に連れ込んで結果死なせてしまったなぞということが噂になれば今は主人になった源氏の命取りです。
後にわかることですが、夕顔は身分で言えば中流貴族の娘、しかし親が亡くなってしまった後は通って来る男に身をゆだねるしかなく、そんな中に源氏にとっては妻葵上の兄、頭中将がいた。中将との間に女の子生まれたのですが、これが後に登場する玉鬘。母が行方不明になってしまったので、乳母が連れて、自分の夫の任国九州の筑紫に下っていく。
夕顔は男にとってこれ以上ないほど都合のいい女として描かれます。なにしろ男のなすがまま。何処と言って特徴はないのですが、感性がにぶいというのでもない。捉えどころのない女性です。もう源氏は夢中。同じころに付き合っていた六条御息所とは対照的です。夕顔の命を奪ったのは「六条御息所の恨み」ということになっていますが、これは実は源氏自身の心の後ろめたさがそう思わせているということのようです。
男性の読者に聞くと「源氏物語」に登場する女性の内一番好きなのは夕顔で、嫌いというか苦手なのは六条御息所なんだそう。
「あなた好みの女になります」というのが夕顔。後ろ盾のない平安貴族の女性は娼婦のように生きるしかなかった。それが夕顔。

『キム課長』本業あっての会社

『キム課長』19・20話(最終回)
TQグループ会長が頼みにするのは元検事総長。当然多額の金が賄賂として渡されている。
一方会長配下のチョ常務。会長に忠誠を誓っていると出所する時には還暦を過ぎてしまうぞと脅され、真実を明かすことに。
創業者の娘で社長である母とその婿になった会長の父との間で息子のミョンソクは悩むが、結局父より会社と社員を救う方を取る。息子を最後の頼みとした父からスイスの隠し口座の番号を聞きそれを経理部の予備費に入金する。金持のドラ息子だった彼がこのように変わったのは母の勧めで経理部に入り平社員として共に過ごした影響が大きかった。
会長は懲役22年、チョ常務は7年。以下本部長、会計部長が罪を償うことに。
検察と協力して会長を罰することに成功したキム課長とソ理事。
二人は会社を去り、キムは群山時代の金融会社の社長に頼まれ、再びクラブ経営をすることに。それだけではなく、警察から潜入捜査を依頼される立場になる。
元検事のソ理事は法律事務所を立ち上げる。しかしTQ社長からCEO公募に応じるよう要請が来る。
このドラマはトップが私腹を肥やし、社員を省みない姿が描かれましたが、大企業と言われる会社が本業に尽くすのではなく、投資とか買収で利益を得ようとする傾向、韓国だけじゃなく、日本、アメリカ、おそらくヨーロッパも21世紀の特徴のようで、そんな経済社会はそろそろ限界、とそんなことを考えさせられました。

最強のタッグの実現『キム課長』

『キム課長』17・18話
今は病院で意識不明状態の経理部イ前課長の必死のメモリーを持って、会計監査の場に乗り込んだユン課長代理だったが、会長は検察庁の上層部の大物と取引、捜査をやめさせる。その際犠牲者としてすべての罪をかぶせる者として、ソ理事を差し出すことに。
会長は部下たちに検事に聞かれたら「すべてはソ理事の指示だった」と答えるよう言い渡す。
しかしTQグループの不透明な経営を内偵していたソ理事の後輩のカン検事と手を組んだキム課長たちは、「偽証をすると罪が重くなる」と脅し、会計部長や本部長は不安になる。
ソ理事は逮捕される。日頃オールバックの髪型にスーツで決めていたソ理事だったが、整髪することは許されず、お仕着せの囚人服を着せられた姿は何だか滑稽である。
しかし、元々ソ理事にすべてを押し付けるストーリーには無理があり、ソは釈放される。
そんなソに豆腐を持って行き、キム課長は自分も偶然「聖人の道」を歩むようになったと言い「やり直せ」とさとす。
最強の二人が悪の元凶、会長を倒すためにタッグを組むことに。

〈どうでもいいつぶやき〉
トイレットペーパーの三角折りは菌を広げるだけ。後の人のためにペーパーの先を三角に折って、ちょっと出しておく。なんか奥ゆかしいたしなみのように思われてきましたが、用を足した後の手でこの作業をするわけだから、どうなの?と前からチラッと思ってました。やっぱり!

なぜかキム課長を助けるソ理事

『キム課長』15・16話
会長の差し向けた殺し屋によって、あわやというキムを救ったのは意外にもソ・理事。会長の電話を盗み聞いたソはこれまた自分の手足として動いてくれる者にキムを尾行させ、間一髪救い出す。
数字を操れる男として、最初にキムを採用したのはソ理事だが、今やキムはことごとくソの前に立ちはだかる邪魔な存在。黙って見過ごせば会長に任された仕事はスムーズに行くはず。なのにどうして?
それをキムの配下ユン課長代理に聞かれて「よくわからない」と答えるソ理事。
そう、なんだかんだと言ってもソは元検事。戦いは正々堂々と渡り合いたい。背中から襲うような、ならず者のやり方で勝ってもそれは勝ったことにはならない。
この襲撃事件後、キムは屈強なガードマンを二人雇って常にそばで警護させるのだが。
キム課長の前任者であるイ課長は不正の濡れ衣を着せられて自殺をはかったとされ、今は意識不明で病院のベッドで眠っている。そのイ課長はロッカーのカギを清掃のおばさんに託す。「これぞと信用できる人に渡して」という言葉と共に。
おばさんはそれをキム課長に。カギはイ課長の趣味であるボーリング場のロッカーのものだった。そこにあったのはTQの会長の著書「流通の神様」。
経理部のみんなは首をひねるが、経理部でラーメンを煮た鍋を置く鍋敷きにこの会長の著書は使われていたが、その背表紙のすき間にメモリーが隠されていた。それは「去年の会計監査が嘘っぱちである」何よりの証拠品だった。
日本でも今文書があったとかなかったとか大騒ぎになっていますが、「あったものをなかったことにはできない」というのが世の真実ではないでしょうか。

〈どうでもいいつぶやき〉
最近、食品の袋がみんな縦に割くように切込みが入っているのですが、なぜなんでしょう。私は横に割くほうがいいのですが。縦に割けばバラバラになってしまうでしょう、そうじゃありません?

2PMのジュノがいい『キム課長』

『キム課長』13・14話
ソ・理事による卑劣な手口により「リストラなしの再建案」提案に持ち込めず敗北したキム課長以下「経理部」のメンバー。
ここでキムは考えます。「聖人」などとおだてられて、すっかり野性の感覚を失っていたために負けてしまった。ここは古巣の群山での荒っぽいスタイルを取り戻そう、というわけで手荒な方法で不正証拠をつかみ、会長に突きつけリストラ案を撤回させ、経理部は復活。
社長はキム課長に鍛え直してもらおうとだめ息子を経理部に送り込む。
この息子が経理部でもまれて次第に成長していくという展開が見えてきますね。なにしろ次期社長になるべき立場ですから。
ジュノssiの悪党ぶりがおもしろい。
ソ理事役のジュノ、本業はミュージシャンなのに、やり手の理事役がはまってます。お菓子好きで、食べてるシーンが結構多い。隙がないように見えるのにキム課長の仕掛けにはまって慌てる場面もあり、主役のナムグン・ミンのキャラクターは予定通りの展開だけど、ジュノはこの小憎らしい検事の脅しの手口だけはしっかり身に着けているいやらしい、でも可愛いところもある奇妙な役をこなしています。
このドラマの成功はナムグン・ミンよりジュノの演技によるところが多いのではと思います。
「ヘル朝鮮」、ヘル=地獄と言われる韓国の若者の苦境ですが、それも描かれます。
TQグループというこの大企業にはTQリテールというコンビニを展開する小売部門があるのですが、ここで働く若いアルバイト店員たちは低賃金なうえに給料未払いに苦しんでいます。店長とされる社員達も無理難題を本部から押し付けられ困っている。
ここにも宅配と同様のピンハネ、利益流用がまかり通っている。
キム課長たちはアルバイト店員たちに会社に抗議の声を上げるよう勧める。この場合若者たちはSNSで連絡しあってたちまち情報を共有する。
不正流用には会長も関わっているため、その証拠を突きつけられ、しかたなく公式に謝罪と賃金未払の解決を約束させられる。
キム課長以下経理部の大勝利で、気分よく帰り道を行く課長でしたが、その先に会長の差し回したならず者が・・・。
日本に住む韓国人によると、ドラマで描かれる話は現実と言ってますから、このように楯突く者は襲われるということは日常的なことなのでしょう?

人員削減なしの再建案、提案できるか『キム課長』

『キム課長』9・10話
TQグループ社長「人員削減なしの再建案」を経理部に託す
安易に人員を削減してコストを下げる、誰もがまず思いつく愚かな方法です。そうではない会社の立て直しを、社長はキム課長の手腕に託します。もう会社を辞めようと思っていたキムですが、着手金1億ウォン、成功報酬着手金の2倍の提案になびく。
一方元検事のソ理事は「再建案が成功しなかったら経理部は解散だ」と挑戦してくる。
TQ宅配は仕事量は減っていないのに利益が上がらない。キム課長とユン代理が調べた結果、宅配が利用する業者が決まっていて、他の業者よりすべてが割高。実はこれら指定業者はリベートとしてTQの本社に上納。この事務処理を行っているのが、経理部とは何かと対抗関係にある会計部。会計部長はこれを台湾の銀行の裏口座に振り込んでいる。この口座の恩恵を被っているのは本社のチョ常務とコ本部長。
社長の夫である会長によって理事になったソ元検事はこの事実を把握するが、今は社長の反撃をつぶさなければならないとして、キム課長が証言者として予定していたTQ宅配の現場責任者と上納事務をしていた宅配の会計部長を脅して、役員会の場で「何も問題ない」と証言させる。
当てが外れたキム課長ですが、これで引き下がるはずがありません。
元検事と元脱税のプロの対決はこれから・・・。

時代設定がなつかしい『ひよっこ
奥茨城というあまりドラマでは登場しない農村の生活から始まったストーリー。
私も農村に住んでいたので、ちょうどあの頃、農村も少しづつ文化的な生活になっていったところにリアル感感じてます。
土間の台所だけど電気釜とかあったりして。テレビも必需品。家の造りも開放的。
でも今は全然ちがいますよ。家は立派になったけど、玄関ピタッと閉めて。都会の住宅と一緒です。