つれづれ夜咄(旧韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホン)

韓ドラ・懐かし映画・時々ビョンホンのリニューアルブログです。内容少し変更

父と息子の絆は切れぬ『獄中花』18話まで

『獄中花』18話まで
世は凶作のため、囚人の収容所である典獄署では食事は一日一回ということになってしまう。
これを何とかしようと、オクニョはテウォンと組んで、ナンジョンの強欲を利用して、秘かに金鉱採掘の話を持ちかける。金鉱の採掘は国の事業で民間が勝手に採掘することはご法度であった。しかしどこまでも欲の深いナンジョンはこの話に乗るのですね。
結局用意した金をだまし取られてしまうのですが、禁じられていることをしたので大騒ぎするわけにはいかない。泣き寝入りです。
オクニョたちは奪った金でコメを買い、囚人たちに食事を提供する。
だけどこれも一時しのぎ。次に考えたのは囚人たちを外の労働に出して稼がせて自らの食費をうみだすこと。製塩労働に目を付ける。塩水を窯で炊き煮詰めて塩にするのです。
この塩を入札にかけ、最低価格で落とせば市場を独占できる。今まではナンジョンひきいる商団が独占していて、自分達のいい値で引き取らせていた。これを打ち破るには平市署(市場管理庁)に公正な入札をしてくれるように頼まなければならないが、大行首はテウォンに「それを父のウォニョンに頼め」とアドバイスする。「お前の役に立ちたがっている」というのだ。「それを利用しろ」と。
このへんが微妙ですね。ウォニョンは姉大妃の権威を笠に着て、横暴を繰り返す男なのですが、やはり息子を捨てたことは後悔している。
ウォニョンは妻より息子を取り、平市署長官に話をつける。
ナンジョンはテウォンの商団の価格を盗み取り、損を承知でそれより低い価格を入札する。
しかしこれがテウォン側のねらい目。テウォンの商団は塩を軍に卸して利益をあげたのだった。
お忍びで民の生活状況を視察して回っていた時の王明宗(ミョンジョン)からの情報だった。身分を隠してオクニョに近づいた王が味方についたのだった。
この明宗はチャングムでイム・ホさんが演じた中宗の息子ですね。この明宗の前に王位に就いた仁宗はたった一年の在位。30歳で亡くなっている。ここに毒殺されたのではという話がドラマとして成り立つ。
明宗の母、現在の大妃と弟のウォニョン、それに従う官僚達が組んだ陰謀がこれから明らかにされていくのでしょうが、明宗王は約20年間王の座にありました。それなりに安定した時代だったのでしょう。

パク大統領スキャンダルを先取りしたドラマ『密会』。
私もこのドラマ楽しみに見てましたが、ここに登場する金持の奥さんが娘を無理矢理音楽大に入れる手口が今回のチェ・スンシルのやったこととそっくりで、おまけに娘の名がチョン・ユラといって同じ名前なのです。脚本家は「偶然だ」と言っているようですが、このドラマでも芸術財団が不正に裏金作りをしていることが描かれ、ヒロインは快適な生活と引き換えにその裏金作りに加担するのでした。
これはケーブルテレビで制作・放映されたドラマなのですが、今回のスキャンダルを報道した最初はこのケーブルテレビだったようです。
大手は政権ににらまれるのが怖くて見て見ぬふりをしていたのですね。

韓国ドラマの世界は現実だった

現実とドラマが同じ
韓国パク大統領のスキャンダルは日本のワイドショーも連日取り上げている「美味しい話題」。
豊洲市場やオリンピック施設をめぐる「小池劇場」がかすんでしまうほど。
韓国では権力やお金を持っている人達の横暴ってすさまじいですね。ドラマが決して誇張でないことがわかります。
以前見ていた「家族の秘密」というドラマでは財閥グループを率いる家の長女が都合の悪い人間を次々に殺してまで権力を手に入れようとする姿がえがかれましたが、大統領を意のままに動かしていたチェ・スンシル容疑者はさすがに殺人までは犯していないようですが、それ以外はあらゆる横暴をしてますね。
特に溺愛する娘のために馬術の練習場や馬を買う費用を財閥企業や税金から引き出していたようで、一般の韓国人が怒りまくるのは無理もない。
この母娘には身辺警護を付けないと殺されてしまいますね。やはり裁判の中で罪状を明らかにして、服役して罪を償うべきだと思います。
パク・クネさん自体はそんなに悪い感じの人ではないように思いますが、日本の女性政治家で表舞台にしょっちゅう出てくるような人たちの方がはるかに人相が悪い。
思えば両親ともに政治の世界で非業の死をとげているわけで、政治家にならなければよかったのでしょうが、周囲によってパク・チョンヒ大統領の娘と言うことで政治の世界に引っ張り出されていった。
この前の朝ドラの「とと姉ちゃん」の立場ですよね。弟と妹は政治に関わらず普通の家庭を築いているようですが、自身は独身のまま。

『獄中花』14話まで。
どんな理不尽な命令でもそれを実行しなければならない体探人(スパイ)という任務から下りたオクニョは元の典獄署の茶母(タモ)に戻る。
このドラマではチェ・スンシル容疑者と同じような手段を選ばない悪女が登場します。それは大妃の弟ユン・ウォニョンの側室のナンジョンという女性。元妓生です。ウォニョンも姉の大妃の権威を背景に横暴なことをする人物ですが、チョン・ジュノssiがこの悪役を演じています。
コ・スが演じているユン・テゥォンはこのウォニョンの息子なのですが、ナンジョンの登場で母と共に見捨てられ、父に復讐を誓っている。商団で行首(ヘンス)という番頭のようなものでしょうかをしながら、ナンジョンの商団と張り合おうとしている。
オクニョに体探人の技術を教えたパク・テスはウォニョンの命令によって抹殺されてしまうのですが、その孫息子が松都というところの金持商人にもらわれ、今や捕盗庁の従事官となって、ウォニョンとナンジョンの間にできた娘の婿予定者となる。
このソン・ジホンが自分の祖父を抹殺したのがウォニョンだと知ったら・・・。

いつから?ドラマ出演者とコマーシャルのセット

秋の日本新ドラマ
「逃げるのは恥だが役に立つ」
ハンガリーのことわざだそうですが、星野源の無表情な草食男子が妙に気になります。
いかにもIT企業の社員という感じで、パソコンで契約書作ったりするのはやたら得意。
今の時代は生まれた時から環境が整っていて、それを乱されるのは嫌という人たちが増えているような気はします。
結婚生活というのはその意味で最大の「乱され行為」ですよね。
それで「契約結婚」というか、家事を職業としてやってもらうという形を取るわけですが、これは相手になる女性、名前覚えてませんが、が住むところが無くなるということで「それならば結婚と言う形式でその問題を解決しよう」というので始まった形ですが、その前にお互いの存在が嫌じゃないという前提がありますよね。まあ着地点はおのずからわかりますがね。しかし同棲から結婚となったとたんにうまくいかなくなるケースも現実の世の中にはありますけど。

「シェフ~三ツ星の給食」
こちらは大量調理のシーンが見どころ。
どういうところで撮影するのかしら。そこだけ社員食堂みたいなところで撮影して合成するのかな?
この間は元三ツ星シェフの天海祐希さんがいろんな種類のトマトを買ってきて、おとなにも子供にも「美味しい」と言ってもらえるナポリタンを試作するシーンがありましたが、あんなにたくさんのトマト、撮影後はみんなで持ち帰るのかな?なんて思ったり。
食べ歩きや飲み歩きの番組も、続けて何軒も撮影するのでしょうから、当然最初の一口、一杯であとは残すわけですよね。カメラマン、その他スタッフも一緒ですから、その人達が残りを食べる?お持ち帰りもありかしらね。
とにかく「もったいない派」の私はそういうところが気になります。「捨てないで!」。

「砂の塔」
タワーマンションに住む奥様方のバトル。
地方に住む私はタワーマンションを実際目にすることはありませんが、高層階ほどお値段が高いのですね。そこで何年度からかしりませんが、相続税とかで低層階の住人とは差をつけることを政府が考えているそうですが。
何年か前にママ仲間で子供のお受験をめぐって、平常心を失ってしまったお母さんがリーダー格の人の娘さんを殺してしまうという「お受験殺人」事件というのがありましたが、あれは同じ幼稚園に通う子供を持つ仲間での話でしたが、こちらは住まいが同じマンションというさらに閉塞状況に追い込まれる装置が背景です。
とにかく今のママさんたちは大変です。
かつて、そう30年前ぐらい前までは、子供にそこまで気を使って育てていなかったんじゃないかな。

とにかく今、民放ではドラマ作りは投げてる気がします。
だって、間に入るコマーシャルに出演者がニコニコして出てきますよね。さっきまでのドラマ上とは全然べつの顔して。ドラマ台無しです。
セットにしないとスポンサーがつかないのでしょうか。
視聴者をなめてます。

 

 

平安貴族の社交・恋愛のツールは歌=和歌

「歌を詠む」は平安貴族のたしなみ
源氏物語」では何かというと歌がかわされます。これは子供の頃からそういう教育を受けていないと挨拶がわりに「歌を詠む」などできませんね。
物語中の人物が詠む歌は作者の紫式部がその人物のキャラクターに合わせて詠み分けるわけですが、現代にも数多くの作家がいますが、こういう芸当のできる作家は見当たらないような気がします。もっとも現代の物語は歌を必要としませんが。メールか電話で心を通わせることができるのかわかりませんが。
現代は手紙すらめったに書きません。
源氏物語」では弘徽殿女御と源氏の正妻葵上の二人の歌は一首も登場しません。
弘徽殿女御は自分の息子が天皇になることだけを考える人ですから「歌なんか詠んでる場合じゃない」。
正妻の葵上は実は源氏ではなく兄の第一皇子に嫁いで皇太子妃になることを夢見ていたのに、父の左大臣が第一皇子ではなく源氏を婿に選んでしまうのですね。
それが不満なのと、4歳年上ですから最初源氏が子供に見えたのでしょうか。みんなが憧れる源氏なのにどうも他人行儀。
これでは源氏も面白くありませんからつい葵上のところへは足が遠のき他の女性のところへ遊びに行ってしまう。
ところで歌を詠むのは常識といっても人には得手不得手があります。文才がないと何とも様にならないつまらない歌しかできない。第一良い文句が浮かんでこない。そこで助けになるのが掛け言葉や本歌取りといった「言葉遊び」の要素を取り入れること。
参考書は式部の時代より100年ほど前に編集された「古今和歌集」です。この歌集の中から気に入ったフレーズを引っ張り出して適当につなぐ。
まあ芸術というより「社交の道具」、「恋愛の道具」ですから相手がそれを詠んで喜べそれで目的は達せられる。
現実主義者の弘徽殿女御と生真面目な葵上には「歌がない」、「歌は必要ない」。

 

イ・ビョンフン、チェ・ワンギュのコンビ『獄中花』(衛星劇場)

身分を隠せ』を見ていて潜入刑事って役者に似てるって思いました。
ヤクザ、娼婦、借金取り立て屋などその状況に応じて人物になり切らないと見破られてしまう。
まあ、ヤクザは日ごろ接している相手なのでお手のものかもしれませんね。「ミイラ取りがミイラになる」のことわざどおり、ヤクザに転身と言うか転落してしまう警察官もいますからね。私は60年代ぐらいに作られた東映のヤクザ映画なんかもケーブルテレビで見ますが、そんな設定結構多い。
初めて韓ドラを見始めた頃から10年以上たって、日本で放映されるドラマもどんどん過激なものが増えているような印象があります。
何しろ韓国は北と敵対関係で向き合っていて、成人男子に「徴兵の義務」がある国ですから、男ならだいたい銃器の扱いを心得ている。刑事だけでなく、犯罪を犯す側もそうなのだから「いつやられるかもしれない」という恐怖感は強いと思います。
アメリカの警察官もそうですね。アメリカには徴兵制ありませんが、「自分の身は自分で守る」という考え方の元、銃を持っている人が多いから警察官が過剰反応するんだと思います。
特殊捜査員が追う犯罪者組織の目的は紙幣のポログラムコードをシステム会社から盗み出して贋金を作ることのようですが・・・。

衛星劇場で『獄中花』放映始まる。
チャングム」、「トンイ」のイ・ビョンフン氏の演出。脚本は「ホジュン」、「商道」で組んだチェ・ワンギュ氏。
女性のサクセスストーリー。
時代は1540年代、中宗の時代、チャングムと同時代ですね。
典獄署という今でいう刑務所で産声をあげ、オクニョ(玉女)と名付けられた少女が刑務所の中の雑役係である茶母(タモ)をしながら成長していくのですが、運勢を見る天才で、監獄ですから刑罰に関する法律にも詳しくなり、のちにその知識で頭角を現していくようです。ただの茶母がそうなっていくにあたっては学問を教えてくれる先生がいるわけで、その先生は犯罪者とされて、獄につながれている人なのです。
イ・ビョンフンさん、いくつぐらいの方かしら。次々に新しいドラマを作り出す才能がまだ枯れていません。

繰り返し描かれる潜入捜査官ストーリー

f:id:kawarie:20160919004854j:plain

『身分を隠せ』(ホームドラマチャンネル)
犯罪組織に潜入してその悪をあばくという展開は香港映画ノアールの名作『インファナルアフェア』に代表されますが、やはり繰り返しドラマ化、映画化されますね。
キム・ボム主演の本作も、恋人を亡くした刑事が秘密捜査官として組織に潜入していくという展開です。主演のボム、以前何かで見た気がするのですが思い出せない。
それよりもその犯罪組織の幹部でチョン先生と呼ばれている人物を演じているのがキム・ミンジュン。はるか昔、『茶母チェオクの剣』で、反乱組織のリーダー、ソンベク役としてさっそうとドラマデビューしたあのキム・ミンジュン。一見、悪役に見えない悪役を演じられる役者に成長しています。1976年生まれですから今年40才か。消えていませんでした。

<弁当やすしについている調味料の袋、開けにくい>。そんな年齢になってきました。以前はお魚型のチューブでふたを開けて必要な分だけ出せばよかったのに。
きっとこれ売る側の都合ですね。このほうがコストがかからないとかなんとか・・・。
外で食べる時困るので、小さなハサミを化粧袋に入れてはいますが。高齢者にやさしい商品を作ってほしいわ。それはきっと傷害のある人にも使いやすいはず。そして子供、すべての人にとっても。

物語を自由に回していく仕掛け、臣籍降下

二宮=源氏の臣籍降下
光る君を溺愛する父帝ですが、その将来については深く思い悩む。
皇子のまま宮廷にとどめておいても後ろ盾のない光る君が天皇になることはできない。それよりも皇籍を離脱させ、臣下として政治に腕をふるわせる方が皇子のためになる。
帝はその頃高麗の使節の中に優れた人相見がいると聞いて光る君をその元に遣わし対面させます。
人相見は「帝王になる相は持っているが、その位に就くと世が乱れるかもしれない。しかしただ臣下として天下の政治を補佐する方かというとそれだけの人でもない」と言うのでした。
帝王でもない臣下でもない運命というのは、後に准太政天皇という位を我が子冷泉帝からたまわることになる将来が暗示されている。
高麗の人相見の言葉に押されて、桐壺帝は光る君に源氏の姓を与え臣下に籍を下ろすことにした。
これによって源氏はミカドの子という高い身分ながら臣下なので、行動がずっと自由になり、あちこちの女性を訪ねてしのんでいくことができる立場になり、物語が面白くまわるようになる。さすがですね、物語作家というものは・・・。
源氏物語』後半の宇治十帖では、匂宮という皇子が源氏を思わせるプレイボーイとして登場しますが、彼は次の皇太子になるかもしれないという立場なので、女性に会いにいくのも大変なエネルギーを使わなければならない設定になっています。
そしてこの二宮の処遇の決定前後に父帝は「亡き更衣にそっくり」と言われる先のミカドの4番目の姫君を妻に迎える。これが藤壺宮。
源氏はまだ宮廷に暮らしていて、父がいつも連れ歩くことに変わりはないので、藤壺の顔も知るのです。
生母の顔もよく覚えていない源氏に取って藤壺は母をみるような、さりとて若いですからお姉さんのような何ともいえない年上の憧れの女性になって、それが遂に・・・という関係に発展していくわけですが。